ネトの移籍に関してバルセロナがバレンシアに400万ユーロを支払うことが決定
元ブラジル代表GKネト・ムラーラ(33)が2019年にバレンシアからバルセロナに移籍した際の移籍金の一部の支払いをめぐり、バルセロナがバレンシアに400万ユーロを支払うことになりました。
カデナ・セルの報道によると、2019年の夏にシレセン&ネトの移籍オペレーションを行ったバレンシアは、バルセロナからシレセンを3500万ユーロで購入し、ネトを移籍金2600万ユーロ+変数900万ユーロという条件でバルセロナに売却しました。そしてこの変数のうちバルセロナから支払われたのは300万ユーロのみで、600万ユーロが未払いとなっていました。
クラブ間で合意したネトの移籍に関する契約の中に、完全移籍またはレンタル移籍でネトがバルセロナを離れる際にこの未払金全額を支払うという条項がありました。そして、バルセロナは昨夏にネトとの契約を解除し、彼がイングランド・プレミアリーグのボーンマスと契約したため、バレンシアは残り600万ユーロの支払いをバルセロナに求めました。
しかし、バルセロナは「ネトを自由契約にしたので移籍ではなく、未払金を支払う必要がない」と主張し、600万ユーロの支払いを拒否してきました。
バルセロナ側の主張に対し、バレンシアは「ネトの契約解除が未払金600万ユーロの支払いを回避するために仕組まれたものである」という証拠を揃え、法廷に出ました。
およそ1年間の法廷での争いの後、バルセロナから400万ユーロを支払うという和解案がバレンシアに提示され、バレンシアがその和解金を受け取ることで合意。バレンシアからの控訴が取り下げられることになりました。
当初の要求額より減額となりましたが、バレンシアにとってこの400万ユーロの収入は大きなメリットがあります。
今夏のバレンシアは現時点で一人の選手も売却していませんが、過去の選手売却に含まれていた条項で既に利益を上げています。アトレティコ・マドリーからマルセイユに移籍したコンドグビアの移籍金の15%として120万ユーロ、ポルトガルのジウ・ヴィセンテからポルトに移籍したフラン・ナバーロの移籍金の30%+育成補償金で228万ユーロの収入が確定しており、イ・ガンインのパリSG移籍が確定すれば、育成補償金としておよそ77万ユーロを受け取ることになります。
これにネトに関する和解金400万ユーロを加えることで、バレンシアはここ数シーズンの課題としてきたFFP制限をクリアすることができ、4分の1ルール(選手売却で得た金額の25%を超える額で選手獲得をした場合に選手登録が認められない)が科されないため、今季は選手売却で得られる収入の全てを新加入選手の獲得に費やすことができます。
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