ジャウメ・ドメネクのインタビュー「人生においてバレンシアのユニフォームを着ることほど素晴らしいことはない」
ひざの負傷による長期離脱から復帰した第2キャプテンのジャウメ・ドメネクがバレンシア公式メディアのインタビューに出演し、復帰までの過程と現在のチーム状況について語りました。
──ひざの状態
「完全に回復したよ。チームと一緒に居られること、監督のプランに入れること、ピッチで助けになれることがとても嬉しいんだ。ここまで来るのに本当に長かった」
──リハビリを振り返って
「怪我をした時、いろいろなことが頭をよぎったんだ。手術後、最初の2か月間はとにかく痛みに苦しんだ。バレンシアのメディカルチームはトップクラスだと思う。リハビリトレーナー、理学療法士、ドクターたちには本当に良くしてもらって、思いつく限りの感謝の言葉を伝えても足りないくらいだ。彼らのようなプロフェッショナルがチームに居てくれることで、皆が大きな安心感を持てると思う」
──メディカルチームの細やかなサポート
「些細なことでも24時間対応してくれた。スーペルコパでサウジアラビアに行く時も、旅行中にひざが腫れたら良くないからと、2台の加圧治療器を持って行ったんだ。結果的にシーズンの最終段階に復帰するという目標を達成できた」
──負傷後の選手登録抹消とエレリンへの背番号の譲渡
「重傷だったけど、シーズンが終わる前に復帰できるだろうと思ってた。でも、チームにとってのメリットがそこにある状態で、自分の希望は優先できなかったよ。怪我した後もクラブが俺を見捨てることはなかった。契約延長のオファーを出してくれたからね。その際に新しいGKと契約する可能性を聞かされ、俺は自分の選手登録を抹消すること(背番号を譲ること)に同意した。1月の移籍マーケットを終えて、新しい選手が来なかったので選手の登録枠に空きがあった。だからドクターに相談したうえで、再び登録してもらったんだ」
──負傷・リハビリを経て
「バレンシアのGKになるまでの道のりは簡単ではなかった。バレンシアの選手になるためには何が必要かというレッスンをこれまでにたくさん受けてきたよ。プロサッカー選手としての俺にとって、人生においてバレンシアのユニフォームを着ることほど素晴らしいことはない。医療スタッフがどんなに俺を気遣ってくれたかを思い出すと、さらに感謝の気持ちが高まるんだ。これまでの俺のクラブへの献身が常に100%だったとしたら、今は110%だ。より深い感謝の気持ちを持ったし、今は周囲の人たち全員を助けたいと思ってる」
──チームに帯同できなかったことの苦しみ
「アウェーの試合では遠征できなかったからね。家で家族と一緒に観戦することしかできないのは苦しかった。メスタージャの試合ではいつも最後の数分間のテンションにいてもたってもいられなくなって客席を飛び出し、ベンチに行っていたよ」
──近しい人たちの支え
「家族や友人は完璧な形で俺を支えてくれた。この怪我からの復帰にあたって、重要な部分を占めていたのは彼らの存在だ。光が見えず、つらい時もあった。復帰する時にはより良い選手となっていたいと思っていたけど、それは達成できたと思う。特にメンタル面でね」
──エルチェ戦で招集メンバーに復帰できたこと
「エルチェに向かうバスに乗っている時から、チームと一緒にベンチに入れることに興奮していたよ。鳥肌が立っていたと思う」
──チームでの自分の役割
「俺はこのクラブの古参メンバーの一人だ。チームメイトに寄り添い、俺たちが今、命をかけて戦わなければならないことを彼らに伝えるのに必要な経験を既に持っていると思う」
──次節:セルタ戦
「状況は難しいままだ。とても重要な試合が5試合ある。俺たちがやろうとしているのは残りの4試合を忘れて、目の前の試合に集中することだ。どの試合でも俺たちは100%の力を求められているし、まずは目の前の試合に100%で挑む、それ以上のことは考えない。ひとりひとりが責任を持って取り組んでいるよ。このチームは自信と責任感のあるチームだ。全員でビーゴに勝ちに行く。全ては自分たちにかかっている」
──残留を争うライバルチームの試合結果
「他のチームの試合がどんな結果に終わるか、そんなことを想像するのに1グラムもエネルギーを無駄にしてはいけない。ライバルの結果に関係なく、俺たちは目の前の試合に勝つことだけを考えなければならない」
──セルタ戦の勝利に向けて
「チーム全員の200%が必要だ。11人だけじゃない、25人全員の200%だ。アウェーでの試合で自分たちを助けてくれるものは、チームメイトの信頼とサポートだ。死ぬ気で90分戦わなければならない。1分1分、1プレー1プレーを気を抜かずに。
スタメンでプレーできるのは幸運な11人であり、5人交代できるから、毎週末プレーするのは16人だ。でも残りの9人もこのシャツに求められるレベルに達していなければならない。そしてトレーニングの質を高めるためには体調を整えることも重要だ。俺たちが今掲げている目標は非常に大きなもので、チームとして達成しなければならない」
──残留という目標
「今のチームの目標は、チャンピオンズリーグを戦うことと同じか、それ以上に重要なものだと考えている。俺たちが今挑んでいるものは、勝ち取るために命を投げ出さなければならない類のものだ」
──バラハとマルチェナ
「彼らにとって現役時代にバレンシアでプレーし、今こうして指導していることほど素晴らしいことはなかったのだろう。俺はその感覚に非常に強く共感している。2人とも毎日の仕事に集中していて、順位表を見ずに改善して勝つことだけを毎日考えているんだ。数字に注目してしまうと、どうしても気が散ってしまうからね。ただ、5試合という短い競争に挑むのだから、もちろん結果も出さなければならない」
──メンタル面の準備
「悪い状況の中でも良かったことは、自分たちがギリギリの状況に居ることを知りながら、数試合を戦ってきたことだ。チームは重要な試合に臨む準備ができている。前節:ビジャレアル戦では自力残留の可能性を残す貴重な勝点1を追加した。このような状況下でどんなプレーをすればよいかをチームは理解している。日曜には俺たちが目指しているプレーを見てもらえると思うし、責任感を持つチームが見られるはずだ」
──メスタージャ
「俺たちはメスタージャで強くなれると実感している。やって来るライバルチームをコントロールする力がメスタージャにはあるんだ。残り5試合でアウェーゲームが3試合だ。エルチェでの試合は俺たちにとって非常に良かったし、同じことを繰り返すために何をすべきかは既に分かっているよ」
──ファンへのメッセージ
「ファンの皆さんには感謝の言葉もないよ。要求が厳しくて有名なファンだけど、今俺たちがどんなメンタリティでプレーしているかを理解してくれているからこそ、この順位でもサポートを続けてくれているんだと思う。彼らがしていることは、俺たちにとって重要過ぎるくらい重要だ。自分たちのためにはもちろん、彼らのためにも命をかけて戦わなくてはならない。本当に感謝しているし、俺たちもファンもまだまだ苦しむことになると思うけど、皆で力を合わせてこの挑戦に立ち向かいたい」
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