新スタジアム：ノウ・メスタージャ建設工事再開へ

2024/07/15(Mon)

7月12日、バレンシア市議会がクラブに新スタジアム：ノウ・メスタージャの建設工事再開の許可を条件付きで与えました。

この条件は「6か月以内に工事を再開して30か月以内に7万人収容のスタジアムを完成させる」というものであり、さらにクラブにスケジュールを守らせるための非常に厳しい条項が付いています。つまり、クラブは2027年7月までに新スタジアムを完成させなければなりません。

市議会はクラブに対し、2009年以来中止されていたラス・コルテス・バレンシアナス大通り（Avenida de las Cortes Valencianas）沿いに位置するノウ・メスタージャの建設を再開するための事業許可を与えました。

クラブが最初に取り組まなければならないのは「安全面の審査を通過した、FIFAカテゴリー4の要件を満たす7万人収容のノウ・メスタージャの工事を期限内に遂行するプロジェクトとマイルストーンを含めた拘束力のあるスケジュール」を3か月以内に提示することです。

そして、工事はこの日より6か月以内に再開しなければならず、施工期間は30か月となります。これはクラブが要求した42か月より1年短い期間となります。

また、市議会は「不可抗力による場合を除き、この期限内に工事を再度中断することは認められない」という条件も付帯しました。

「工事の再開をできない」「工事を再度中断する」等、クラブがこのプロジェクトを遂行できない場合、市議会の要求から15日以内に「建設工事総額の100％の金銭的保証」を支払う必要があります。この建設工事総額は外部監査が査定します。

さらにクラブがこの金銭的保証を支払えない場合、市議会はクラブに与えた事業許可を失効し、市議会とクラブが2005年と2007年に結んだ「ノウ・メスタージャのATE計画（※後述）」を廃止し、重大な契約違反に対する損害補償を要求します。

この市議会の決定を受けて、クラブはこの数時間後に6か月以内の工事再開を保証することを公式発表しました。以下、クラブの声明です。

ノウ・メスタージャの建設許可を取得

本日、市議会からラス・コルテス・バレンシアナス大通り沿いの区画の開発に必要な事業許可を受け取りました。

これは、新スタジアム：ノウ・メスタージャの建設工事再開に必要な最初のマイルストーンです。

この目的を達成するために、バレンシアCFは建設会社と建築事務所の両方と協力し、今日から6か月以内にノウ・メスタージャの工事を再開する予定です。

建設許可の取得は、チームとバレンシアニスタが新スタジアムに移動できるようにするために過去数年間でクラブが示してきた取り組みと実行してきた取り組みの確認を表しています。

バレンシアCFは、ノウ・メスタージャは誇りの象徴、街の近代化、スポーツ面の模範的存在、バレンシアニスタの魂が集う空間となることを確信しています。

これは、バレンシアCFの全てのファンのためにノウ・メスタージャの実現を目指すバレンシアCFが、これから進む道の基本的な一歩になります。

新スタジアムとそこに隣接するスポーツセンターを建設することと引き換えに、クラブに多くの都市計画上の利益をバレンシアCFに与えるという都市計画です。

2022年6月に、バレンシア市議会は「ノウ・メスタージャの建設計画が当初の構想から大幅に変更された」として、このATEの取り消しを決定しました。

クラブは「建設再開計画に対する市議会の不活動」を理由にATE取り消しの無効を求めて裁判所に訴えていましたが、今年の4月にバレンシア州高等裁判所(TSJCV)はCOVID-19によるパンデミックの影響も否定し「建設の遅れの原因の大筋はクラブの財源の欠如」であるとし、バレンシアの控訴を棄却しました。

しかし、クラブはFIFAに提出する2030年ワールドカップ開催地の立候補の書類に「新しいATE計画が施行されない状態でサインはできない」とし、「スペイン第3の都市がワールドカップを逃すことは街にとっての失敗」と市議会を脅迫するような行動を起こしました。

ワールドカップをバレンシアで開催したい市議会は、従来のATE計画にいくつかの変更を加え、条件を追加した新ATE計画の施行でクラブを納得させ、政治的解決を図ったということになります。

VCF News