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チャン・レイフンのインタビュー

ピーター・リムの右腕と言われるチャン・レイフン元会長が先月、5年ぶりにバレンシアに戻ってきました。彼女のバレンシアでの新たな仕事は新スタジアム建設プロジェクトです。

チャン・レイフンのインタビュー

このプロジェクトのトップに任命されてからのチャン・レイフンは精力的に動いています。チモ・プッチ(バレンシア州首相)、ジョアン・リボー(バレンシア市長)、サンドラ・ゴメス(バレンシア副市長)らとのミーティングをこなしました。そして9日の土曜日にはクラブの公式会見に出席し、メディアの質問に答えました。


──バレンシアに戻って来て
「またバレンシアに戻ってこられて嬉しいです。沢山の思い出がよみがえります。私はここでメリトンを代表して新しい経営陣をサポートしながら、クラブにとって非常に重要なプロジェクトであるノウ・メスタージャについてバランスの取れた解決策を見つけるつもりです」

──ATE(Actuación Territorial Estratégica/戦略的地域活動)について
「ご存知のように私は既に、チモ・プッチ、ジョアン・リボー、サンドラ・ゴメス、地方政府の他の部門の方々とお会いしました。私とのミーティングに時間を割いていただいた全ての人たちに感謝します。メディアには多くの報道がありますので、全てのファンに向けて状況を説明することが重要であると感じました」

「まずATEは有効期限が切れ、昨年8月に発行された法的な報告書に基づいて延長されないという明確なメッセージがあります。しかし、ATEで約束されたことをすべて満たせば、ATEから派生するすべての利益を維持できることも明確にされています。私はATE延長のために何かできることはないかをお会いした方々に尋ねましたが、延長の可能性はないと言われました。理由は分かりません。またライセンスに関連して、どのように進めなければならないかもわかりません。私たちはあくまで政府へのコミットを示し、ATEを遵守し、プロジェクトを成功させるために何でもするということを示さなければなりません」

「私がここに戻ってきて最初にしたことはATEについて交渉することでした。ATEは10年間の設計であり、加えて延長できる可能性もありました。だからこそ、私たちが今どうしてこのような状況になっているのか理解できません。この8年間、私たちは怠けていたわけではありません。専門のコンサルタントを置き、土地購入希望者と交渉してきました。新スタジアムについてはいろいろな調査を行い、売り込もうとしたこともあります。2018年にADUメディテラネオと合意に至り、このプロジェクトは各方面からの賛同を得ました。しかし、不動産業界の状況がそれを許さず、2020年に破談となりました。その後の2年間はCOVIDが私たちの経済活動に影響を与えました。2021年4月からは延長の可能性を検討するようになりました。難しいことではありますが、行政への提案を続けてきました。2021年8月、ラ・リーガからCVCの資金調達について連絡がありました。プロジェクトを開始する準備が整ったのです。しかし私たちの努力もむなしくあまり進展がなく、今このような状況になっています」

──メリトンとしてのスタジアム建設への取り組み
「私たちのクラブへの取り組みはこの8年間変わっていません。クラブを前に進めたいと思っています。15年以上前に、クラブがお金も土地も持たずに新スタジアムの建設を始めたことを皆さんは覚えていることでしょう。私たちは過去と同じような財務上の失敗を犯さないように、細心の注意を払っています。そして、今のメスタージャを売らなければなりません。クラブが2つのスタジアムを保有する意味はありません」

──市議会に認められた4つのポイント
「市議会とのミーティングで、4つのポイントについて前進できたことを嬉しく思います。まず最初のポイントです。70,000人収容のスタジアムを建設する予定ですが、観客動員数に応じて段階的に進めていきたいと考えています。過去15年間の統計を見ると、平均入場者数は35,000人、最高で43,000人です。スタジアムの雰囲気は常に良いものでなくてはなりません。そのため、いつでも70,000人収容に増やすことのできるこの提案をしました。4,000席あるテラスが9つあり、これがスタジアムにユニークなステータスを与えます。このコンセプトを市議会の皆様にご理解いただけたことを嬉しく思っています。市議会では70,000人収容の形でオープンすることが重要だと言われてきました。私はこのテラスのコンセプトを利用して66,000人収容でオープンすると言ってきました。そしてワールドカップのような巨大イベントを開催することになった時は、5か月で66,000人収容から70,000人収容にすることが可能です。既にRFEFには新スタジアムで参加したいと伝えています」

──第2のポイント:建設期間
「次のポイントは建設期間です。許可が下りてから30~34ヵ月間程度かかるとみています。全てが順調にいけば、2025年の夏にはスタジアムを開くことが出来るでしょう」

──第3のポイント:新スタジアムに隣接して作られるスポーツセンター"ベニカラップ・パビリオン"について
「ベニカラップ・パビリオンについては、建設するのは市議会で費用を負担するのがバレンシア、ということで合意しています。費用は570万ユーロ、IVA(付加価値税)を加えて690万ユーロ程度になる見込みです。私たちメリトンは常にこの方針に沿って行動しており、クラブを購入した以上、これは義務であると考えてきました。このスポーツセンターに関われることを嬉しく思います」

──最後のポイント:代替エネルギーの問題
「最後のポイントとして、太陽光発電式の屋根を建設する予定です。パートナー企業と協力して代替エネルギーの解決策を模索する予定です。私たちは最低限しなければならないことをするのではなく、常に将来のために計画を立てて、働いています。この設備によって新スタジアムと隣接するインフラストラクチャの電力消費量をカバーできると考えていますし、発電過剰になった時は、市議会と協力してスタジアムに隣接するコミュニティを支援したいと考えています。このように、スタジアムが完成したらバレンシア市とのコラボレーションの可能性が広がり、多面的に街の起爆剤となることでしょう。バレンシアのファンだけではなく、全てのバレンシア市民のためになると考えています。この4つのポイントについては解決策を見出したということで、市議会と一緒に進めていくことになりました。私たちは非常にポジティブな道を進んでいます」

──メリトンによるバレンシアへの投資
「私たちはこれまでの8年間で2億5500万ユーロをクラブに投資してきました。これはクラブの100年以上の歴史の中で最も多い金額であり、その大部分は債権者への支払い、過去の債務の精算、行政のために使われてきました。そしてこのお金はクラブから支払ったものではなく、全てメリトンから支払われたものです。ただ、私たちはクラブにこれだけ多額の費用を投資しているということを自慢したいわけではありませんので、その点については誤解しないでいただきたいと思っています。あくまで私たちの計画を信じてほしいという想いで話しています。スタジアムが完成すれば、メリトンの投資額は3億ユーロに達しますし、UEFAのカテゴリー4のスタジアムとなります。ワンダ・メトロポリターノは2億4900万ユーロ、サン・マメスは2億1100万ユーロの費用が掛かっており、1席当たりの値段でいえば3,500ユーロ~4,000ユーロです。そしてノウ・メスタージャはそれよりも高くなります。要約すると、このプロジェクトを実現させて私たち全員が楽しむために、関係者同士で協力していきたいということです。私たちは準備が出来ています」

──スタジアム建設の総費用
「スタジアムの費用は約1億2000万ユーロくらいになると見ています。CVCから8000万ユーロが入ってくるので、これが資金調達の大部分を占めています。これでプロジェクトの80%を完成させることができます。残りの資金調達についてもCaixabank(銀行)からの融資と第三次産業(スタジアムに付随する産業)の権利売却でカバーできるため問題ありません」

──アニル・マーシー前会長のリークされた発言(通称:アニルのオーディオ)
「クラブの評議会は、"アニルのオーディオ"で何がリークされたかについて既に声明を出しています。ファン、市議会、バレンシア市に被害を与えたことについて遺憾に思います。クラブが出した声明の中で、リークされた意見はクラブの見解ではないということを既に発表しています。私個人としては、マスコミにプライベートの会話を漏らすことは子供たちの教育によろしくないということも付け加えておきたいと思います。言い訳をしたくはありませんが、会話の漏洩の責任は第三者にあること、そしてそれらの発言がクラブを代表したものではないことを忘れないでいただきたいと思います」

──アニル・マーシーのクラブ運営
「私は2017年5月にクラブを去り、それ移行はファンの1人としてバレンシアを見てきました。クラブの評議会にも参加していませんし、クラブの内政面についての情報も持っていません。報告書の作成は経営陣の判断にゆだねられるものです。私はいろいろな気持ちを持ちながらバレンシアに戻ってきました。ここに戻ってこられたこと、ここの友人たちと再会できたことは嬉しいです。ポジティブな気持ちで働き続けます」

──今季の赤字額
「赤字についての解決策を見つけるのはクラブの評議会の仕事です。会計はまだ締められていませんが、5000万ユーロ近い赤字です」

──クラブの財政状況
「私たちは破産していません。これまでの間、バレンシアはずっとメリトンの支援を受けて保たれてきました。破産している状態というのは不正確な表現です。決算で出た数字が良いものではないのは確かですが、スペインのクラブで財政的な問題を抱えているのは私たちだけではありません。COVIDはサッカーの世界に大きな影響を与えました。実際、移籍マーケットは非常に静かです。COVIDの影響が最も顕著になるのはこの時点での補強です。しかし、主要株主はクラブの日常的な運営と将来にコミットしているので、私たちは落ち着いて仕事を進めるつもりです。そうでなければ私はここでスタジアムの問題を解決しようとしていなかったでしょう。新スタジアムはクラブのプロジェクトのひとつです。そしてメリトンはスタジアム建設に取り組むだけではなく、クラブ全体を助けたいと思っています」

──半年前、1年前ではなくこのタイミングでバレンシアに戻ってきた理由
「その質問に答えるのは難しいです。私は5年前にこのクラブを去りました。今私がここに居るのは、筆頭株主からこのプロジェクトの問題解決を依頼されたからです。そして私はチモ・プッチとジョアン・リボーの2人に全ての問題を解決することを約束しました。バランスの取れた解決策を見つけることが合理的だと思います。クラブはプロジェクトを開始する準備がまだ出来ていません」

──ピーター・リムのクラブ売却への関心
「クラブは非売品です。最も重要なことは私たちが働き続け、成功を収め、スタジアムが建設され、ファンとの関係と信頼が再構築されることです。言葉よりも行動と結果が重要と思います」

──今夏のチームの補強
「マーケットは穏やかです。スポーツ部門が競争力のあるチームを持つために、監督と一緒に働いています。重要な選手の退団が無い限りクラブ自ら動くことはないでしょう。クラブとして何かをするつもりはあるでしょうし、何をするかはいずれ発表されるでしょう」

──再び会長職に戻る可能性
「私たちには暫定の会長が居ます。私の仕事はここで出来るだけ早くスタジアムの問題にメリトンの責任者として取り組むことです」

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