トニ・ラトの父アントニオ・ラトーレのインタビュー「初めてバレンシアに負けてほしいと思っている」
ラ・リーガ第30節:マジョルカ戦を明日に控え、昨季いっぱいでバレンシアを退団したトニ・ラトの父、アントニオ・ラトーレさんがDiario ASのインタビューに応えました。
アントニオ・ラトーレは90年代のバレンシア3部リーグの選手でした。そして彼の息子、トニ・ラトは8歳でバレンシアのアカデミーに入団し、トップチームまで到達しました。
昨夏、トニ・ラトは人生のクラブとの契約を更新しなかった後、マジョルカと契約を結びました。そして4月7日に彼は、自身3度目の国王杯決勝を戦います。
そしてその前、3月30日にも彼にとって特別な試合があります。バレンシアvsマジョルカ。彼はメスタージャに初めてライバルチームの選手として戻ってくることになります。
──トニの調子はどう?
「いつもと変わらないね。毎週、まず招集メンバーに入るために働き、スタメンに入れるように働いている。最初は全てが難しかった。息子はバレンシアですごく幸せだったから。明日は、長年住んでいた家に戻り、元チームメイトたちを相手にメスタージャでプレーする...彼にとってすごく特別な日になるだろう」
──彼のモチベーションは高いでしょうね。
「彼は根っからのバレンシアニスタだ。特別なモチベーションがあることは顔を見なくてもわかる。もちろんマジョルカの勝点3のために全力でプレーするだろうけど、再びメスタージャの土を踏みたい、メスタージャでプレーしたいという強い欲求も持っているからね」
──父であるあなたもバレンシアニスタですが、あなたにとって人生で初めてバレンシアに負けてほしい試合になるでしょうか?
「んー、そうか。考えたこともなかったけど、言われてみればそうだね。明日はマジョルカに勝ってほしい。メスタージャだし引き分けでも悪くない。そして明後日からはシーズンの終わりまでバレンシアに全ての試合を勝ってもらうとしよう」
──長年、パテルナまでトニを送迎し、寒い中も長い待ち時間を過ごしてきたと思います。そういう時期を経て、今何を思いますか?
「結局のところ、プリメーラでプレーできることは賞のようなものだ。決して簡単なことじゃない。もちろん、誰もが好きでプレーしていると思うけど、バレンシアに居ると、毎年夏に素晴らしい大会に参加することが出来る。彼はバレンシアで育ってきたので、バレンシアに大きな感謝の気持ちを抱いているだろう。寒かった日、毛布、車、バレンシアの街から遠く離れた場所でのトーナメント...よく覚えている。私達はそういう日々を楽しんできたし、プリメーラに居る今よりも、彼が子供の頃の方が楽しかったかもしれないね」
──いつの日か彼にバレンシアに戻ってほしいですか?
「もちろん。私も、彼も、皆がそれを望んでいる。彼はマジョルカで幸せに過ごしているが、将来のことは誰にも分らない。ただ今は状況が違う。彼はバレンシアニスタだが、今そういうことは考えていないだろう」
──国王杯決勝を見に行く準備は出来ていますか?
「ああ。家族総出だ。たくさんの人数で詰めかけるよ。もう彼にとって3回目の決勝だ。ラ・カルトゥハ(2019年のバルセロナ戦)のような夜を期待しよう。優勝候補はビルバオであり、マジョルカは失うものは何もない」
──マジョルカはどうですか?
「マジョルカには良いチームがあり、スター選手はいないけど非常に良く戦っている。6年前に彼らが2部Bリーグに居たことを考慮すれば尚更だ。ロッカールームも非常に団結している。結局のところそれが一番大事なことだね」
──冬のマーケットでトニの友人がマジョルカにやってきましたね。ナチョ・ビダルです。
「息子にとって非常に重要だった。彼には既に偉大な先輩であるジャウメ・コスタが居たが、今度はナチョがやって来た。彼とはバレンシアでもオサスナでもロッカールームを共にした。2人はとても良い関係にあるし、私たち家族もお互いのことを良く知っているよ」
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トニ・ラト (プロフィール)