2月22日夕方、バレンシア市内カンパナール地区マエストロ・ロドリゴ通りで高層マンション2棟が全焼、約450名の住民が被災となる大きな火災が発生しました。23日までに9名の死亡、14名の負傷が確認されています。

この火災の影響を鑑みて、FFCV（バレンシア州サッカー協会）は今週末開催予定だった協会管轄下の州内全てのカテゴリの大会と、運営がFFCVに委任されている国内大会（RFEF3部リーグ、Liga Nacional Juvenil、フットサル3部リーグ）を延期することを発表しました。

バレンシアCFとレバンテUDも、今週末のリーグ戦開催の延期をRFEF（スペインサッカー連盟）とそれぞれの対戦相手（グラナダCF、FCアンドラ）に要請。両クラブの同意を受けてRFEFも23日午後に開催の延期を発表しました。

また、RFEFは今週末に開催される国内すべての公式戦の試合前に黙祷を捧げるよう布告しました。加えて、昨日開催されたUEFA女子ネーションズリーグ：スペイン代表vsオランダ代表戦でも黙祷が捧げられました。

バレンシアはクラブ公式にお悔やみとお見舞いのメッセージを出し、被災者に衣類提供等の支援をすることを明らかにしました。

昨日の練習前にはコーポレートディレクターのハビエル・ソリス、バラハ監督、ガヤ、マルタ・カロが公式会見を開きました。また練習開始時にはチーム全員で黙祷を捧げました。

バラハ監督
「バレンシアCFの監督として昨日バレンシアで起きた悲劇の犠牲者、友人たち、家族全員に大きな抱擁と励ましの言葉を送りたいと思います。誰にとってもとても困難な状況です。今日はサッカーを後回しにすべき日です」

ガヤ
「バレンシアのチーム全体を代表して出席させていただきました。被災された全ての方に哀悼の意を表し、お悔やみの言葉を伝えたいと思います。そして現場で対応してくださっている消防隊、警察隊、救急隊の皆様に感謝を申し上げます」

マルタ・カロ
「私たちの哀悼の意を伝えるとともに、昨日の悲劇において消火活動に尽力された全ての団体に感謝しております。今回被災された方、影響を受けた全ての方へのサポート、愛情、連帯を伝えたいと思います」

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カンパナールのバレンシア・ペーニャも被災者への支援に取り組んでいます。

2019年に設立され、117人のペニスタ（ペーニャ会員）で構成されているこのペーニャは、火災現場から350ｍの場所にあるペーニャの事務所を被災者に開放しました。会員の中には今回火災が起きたマンションの住人も居るとのことです。

Peña Valencianista Campanar ビセンテ・バラゲル会長
「火災を知り、警察と消防に連絡し、必要とする人がだれでも利用できるようにペーニャの事務所を提供しました。今日(2/23)の午前中に衣類や食料を集めるために、会員全員を動員する予定でしたが、警察からその必要はないと言われました。既に私たちの事務所より現場に近い場所で衣類・食料提供をしている場所があったからです。この活動に携わっている皆さんは称賛されるべきだと思います。なので、私たちがしたことは最低限のものです。最終的に私たちがしたことは犠牲者を偲んで、ペーニャの旗に喪章をつけることでした」

「今回の火災が発生した建物に住んでいた会員が一人います。彼自身は怪我などありませんが全てを失いました。また、隣接する建物に住んでいて被害を受けた会員もいます。私の父も妹も安全のため避難しなければなりませんでした」

「土曜には会員で集い、ランチを食べてから試合を見る予定でしたが、中止しました。この地区の全ての人が火災の影響を受けていることを知っています。誰もサッカーやパーティをする気になれませんし、あらゆることを楽しむ気分ではありません」

Peña Valencianista Campanar キケ・ルビオ副会長
「私たちはペーニャの全員がお互いのことを知っています。だからこそ、今回の事件に大きなショックを受けています。道には建物が焼けた臭いもまだ残っていますし、爆発で飛んできた建物の破片を見かけるたびにとても悲しくなります。私たちの会員も被害に遭いました。幸い命は助かりましたが、全てを失いました。彼にはサポートが必要なことはもちろんですが、何よりもつらい気持ちでいます」