バラハ監督の古層外となっていたエライ・チュメルト(25)がフランス・リーグアンのナントに1年間のレンタル移籍をすることになりました。300万ユーロでの買取オプション付きとなります。

チュメルトは、ボルダラス監督がチームを率いていた2022年1月にスイスリーグのバーゼルからやってきました。ボルダラス監督はチームの失点癖を改善すべく5バックを採用しましたが、このスイス代表DFはガブリエウ、ディアカビ、アルデレーテからポジションを奪えず、同じく冬のマーケットで加入したイライクス・モリバやブライアン・ヒルらほど存在感を見せることができませんでした。

昨季は、彼にとってバレンシアでの立ち位置を大きく変える可能性のあるシーズンでした。チームにやってきたガットゥーゾ監督は、サリーダ・デ・バロンの点で彼を評価し、ディアカビと共にスタメンに配置。怪我で休みがちとなったガブリエウからポジションを奪ったかに見えました。

しかし、ガットゥーゾが去り、バラハがやってきたことで彼は主役の座を失いました。ガットゥーゾ（＋ボロ）の時は21試合中17試合に出場（うちスタメン15試合）だったのが、バラハ監督就任後は、ガブリエウが1か月離脱していた時期があったにもかかわらず17試合中わずか6試合の出場（うちスタメン4試合）となりました。そして今夏のプレシーズン、バラハ監督は早々に彼を構想外とし、プレシーズンの合宿メンバーから外していました。

バレンシアとナントは今週、チュメルトの移籍交渉を行ってきました。最終的には買取オプション付きのレンタルでの移籍が決定。このスイス代表DFは木曜の朝に荷物をまとめ、午後にフランスへ飛びました。金曜にメディカルチェックを受け、昨日公式発表が出ました。

また、チュメルトにはラス・パルマスからの関心も寄せられていたようですが、本人がナントでのプレーを選びました。そして彼がチームを離れたことにより、4番手CBとなったクリスティアン・モスケラは残留することになりそうです。

これでバラハ監督が構想外とした選手でチームに残っているのはマルコス・アンドレとカスティジェホに2人となりました。前者については彼の古巣であるバジャドリーとの間で交渉が大詰めを迎えています。昨日既にバジャドリー入りしてメディカルチェックを受けていることから、間もなく公式発表となるでしょう。

一方でカスティジェホについては長引きそうな見込みです。彼の契約は2年残っていますが、このマラガ育ちのウインガーはこの2年分の給与の支払いをクラブに求めています。それに加えて、ミランからバレンシアに移籍する際に大幅な減俸を受け入れてきたことを引き合いに出し、ミランを去ったことで失った給与の一部の補填として追加で100万ユーロを要求している、という報道もいくつかのメディアから出ています。クラブはカバーニの時と同様に契約分の給与を支払うことは承知しているものの、この補填分に関しては拒否しているため、マーケットの最後まで交渉が続くことになりそうです。

※追記（8/29）
チュメルトが自身のSNSにバレンシアニスタへのメッセージを掲載しました。

「親愛なるファンの皆様へ

この1年半の間のサポートと信頼に感謝したいと思います。皆様には、このクラブで戦うための強さとモチベーションを何度も与えてもらいました。メスタージャでプレーしたこと、このファミリーの一員になれたことを光栄に思います。今季が全員にとって素晴らしいものになるよう、皆様の幸運を祈っています。また会いましょう！

ご多幸をお祈りします。エライ」

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エライ・チュメルト (プロフィール)