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スタジアムでの人種差別発言についてバレンシアに処分

第35節:レアル・マドリー戦にてメスタージャ南スタンドからレアル・マドリーのヴィニシウスに対して人種差別発言があった件について、RFEFの競技委員会からバレンシアへの処分が発表されました。

スタジアムでの人種差別発言についてバレンシアに処分

5月23日に発表された処分では

  • メスタージャの一部閉鎖、具体的には南スタンド(la grada sur Mario Kempes)の閉鎖、期間は5試合
  • 罰金45,000ユーロ
  • この処分内容について、請求から10日以内に控訴委員会に控訴を提出することができる

という内容でした。
今季、ラ・リーガでは何度も人種差別発言の問題が起きていますが、他のスタジアムでは出されていない最大規模の制裁となります。

そして、競技委員会のレポートでは以下の通りまとめられています。一部抜粋します。


はじめに - 本決定書の見出しに記載された文書を読み、本競技委員会に提出されたビデオ証拠により、以下の事実を確認することができた。

  1. 試合開始前、選手がスタジアム入りするためにバスを下車した際にレアル・マドリーのバスの周囲に陣取っていた数百人のファンが「お前は猿だ、ヴィニシウスお前は猿だ」とチャントを歌った。
  2. 試合中、マッチレポートに記されているように71分に南スタンドから様々な物が投げ込まれた。主審はテクニカルエリアに行き、バレンシアの代表者に投げ込みを止めさせるためのアナウンスを流すことを指示。しかし、主審がテクニカルエリアに居る際に、ヴィニシウスに対する次の事件が発生。
    マッチレポートにも記されている通り、73分に同スタンドから彼に向って「mono(猿)、mono」と叫ぶ者が出たため、人種差別議定が発動され、再度バレンシアの代表者に会場アナウンスを使用しての対応を指示。アナウンスが流されるまで試合を中止した。
  3. その間、ヴィニシウスは同スタンドの観客の数人を指差し「自分を猿と呼んだ」「手で猿を模倣するジェスチャーをした」と訴えた。この事件の間、同スタンドからは「Madridistas hijos de puta」「Puto negro que eres un idiota」「me cago en tus muertos hijo de puta」「Vinicius idiota」「puto negro hijo de puta」「Vinicius perro (...) hijo de puta」「mono que eres un puto mono」などのチャントが歌われた。
  4. 次に「tonto(バカ)、tonto」というグループのチャントが歌われた。
  5. その後に、猿の声を模倣した別のチャントが作られた。
  6. ヴィニシウス退場処分後、スタジアム全体で「mono、mono」の大合唱が起こり、やがてその声は「tonto、tonto」に移行した。

また、ヴィニシウスに対するレッドカードが取り消されることとなりました。こちらについても協議委員会のレポートで説明されています。


「暴行の数秒前にホームチームの19番(ウーゴ・ドゥロ)と25番(ママルダシュヴィリ)が彼の首をつかんで暴行を加えた。呼吸が出来なくなったため相手選手の腕を振り払おうとして、本能的に相手選手を跳ね除けたら腕が当たってしまった。VAR担当者はこのホームチームの行為の部分を取り除いた映像を主審に送った」

以上を理由に選手本人から退場処分取り消しの要求があり、検討の結果、懲戒処分を行わず退場処分を取り消すことが適切であると判断した。


バレンシアは今回の処分内容について、南スタンド5試合閉鎖という点につきスポーツ行政裁判所に不服申し立てを行いました。また、真相が解明されるまでの間、制裁を一時停止することも求めました。
理由としては、

  • RFEFが事実として挙げた内容に信憑性が不十分な証拠がある
  • バレンシア側のヒアリングを行わずに処分を下すのは弁護権の基本的保証の侵害である

というものです。実際のところ、RFEFが"事実"として述べた項目のいくつかの根拠がマドリディスタのツイートやTiktokerの映像を参考にしたものであることがわかり、また最低でも2つ以上の証拠映像に音声の改ざんが加えられていたこともカデナ・セルが報じています。

バレンシアは前述の6.にある『スタジアム全体で「mono、mono」の大合唱が起こり』という点が、誤りであることを強調しています。

RFEFが挙げたこの項目は、メスタージャが人種差別のスタジアムである・全てのバレンシアニスタが差別主義者であるというレッテルを貼るものだとして、RFEFに証拠映像を送りつけて強く抗議をしています。


そして5月27日、このバレンシア側の主張が一部認められ、処分の軽減が発表されました。新たな処分内容は

  • メスタージャの一部閉鎖、具体的には南スタンド(la grada sur Mario Kempes)の閉鎖、期間は3試合
  • 罰金27,000ユーロ

となります。しかし、スポーツ行政裁判所は制裁の一時停止については棄却しました。そのため、南スタンドの閉鎖については今夜のエスパニョール戦から適用されます。これにより、約1,600人の年間シート保有者がスタジアムに入れなくなります。またこちらの年間シート保有者は、メスタージャの他のブロックのチケットで入場することもできません。

クラブは昨日、このスタンドの閉鎖を利用して2つのバナーを掲示する準備を進めています。数人のファンがSNSで明らかにしたもので、1つは法律で義務付けられたもの──スペイン語と英語で「共に人種差別に反対する」と書かれているもの、もう1つは英語で「私たちのファンにリスペクトを Amunt Valencia」という内容のものです。

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