ビジャの新たなプロジェクト/ビジャとクラウディオ・ロペスがバレンシアの現状についてコメント
数日前、元バレンシアのダビド・ビジャの会社:DV7グループがバレンシア州アリカンテのクラブ、CFベニドルム(バレンシア州1部リーグ)の株式の過半数を取得し、ビジャがオーナーに就任することが発表されました。
そして昨日、ベニドルム市内の高層建築物:インテンポの最上階にてそのプレゼンテーションが行われました。
プレゼンテーションには、ベニドルム市長のトニ・ペレス、バレンシア州サッカー協会のサルバドール・ゴマル会長、DV7グループのビクトル・オニャテCEO、昨日新たにDV7グループの一員となったクラウディオ・ロペス、これまでのCFベニドルムの会長であり引き続き理事会に参加するホセ・サンティアゴらが出席し、多数のメディアも駆けつけました。
クラブの新会長となるジョルディ・ブルイショラとビジャがプロジェクトの説明をし、元スペイン代表選手ギジェルモ・アモールとアントニオ・ロペス、現在スペイン代表のアンダーカテゴリでコーディネーターを務めるティト・ブランコと、3人のベニドルム出身者がビデオメッセージでこの新しいプロジェクトへの強力な支持を示しました。また、クラブの新たなロゴマークも発表されました。
ビジャがビクトル・オニャテと2015年に共同設立したDV7グループは、これまで世界各地で地元のサッカースクールと提携し、選手とコーチの育成に力を注いできました。オニャテ氏は「DV7グループはダビド(・ビジャ)のサッカーの遺産を残し、蓄積された経験を国際的なビジョンと共に引き継いでいくのを支援することを目的としています。当社は既にアメリカ、中南米、日本に強いルーツを持っていますが、それらのスクールでプレーしている全ての子供たちには、ベニドルムのことを知り、ここベニドルム市の人々が誇りに思うプロジェクトを構築してほしいと思っています。ここでサッカーを一つにすることが出来れば、私たちは目標を達成できるでしょう」とプレゼンテーションで語りました。
ビジャは「今日は私たちにとって非常に重要な一日です。私を支えてくれる全ての人に遺産を残したいと思っています。私たちの世界からクリスティアーノやメッシの代わりを探します。魔法の杖も秘密もありません。大切なことは仕事です。私たちは謙虚な気持ちでベニドルムに来ました。現在このクラブで働いている全ての人をサポートします。ベニドルムのコミュニティとつながることが重要です」と話し、長年ラコ・デ・ロイシュ(ベニドルムのリゾートエリア)で夏のバカンスを過ごしてきたためベニドルムの街に思い入れがあることも明らかにしました。
このプレゼンテーションの終盤、メディアとの質疑が行われました。その中にはバレンシアの危機についての質問もありました。ビジャと記者の質疑は以下の通りです。
──CFベニドルムでのこのプロジェクトに期待していますか?
「とても期待しています。このプロジェクトは私たちにとって非常に重要です。2015年以来、私たちはサッカーの発展に取り組み、賭けてきました。そして今、ベニドルムのような素晴らしい街でサッカーへの大きな期待を持ってこのプロジェクトを始めます。責任と熱意を持って、私たちは取り組んでいきます」
──プレゼンテーションではカテゴリ(リーグ)の話は出ませんでしたね。
「プロジェクトはゆっくりと、でも休むことなく進めていくつもりです。私たちは発展、才能、アカデミーを強く支援していくというビジョンを持っています。出来るだけ上のリーグに行きたいという気持ちは忘れませんが、短期的な目標を設定すると、急いで間違った行動をしてしまいがちです。急いで成長するのではなく、基礎と土台をしっかりと植え付ける必要があります。物事を上手く行うことで、慣性をもって成長していけると思います」
──CFベニドルムには積極的に関与していく予定ですか?
「それが私の人生であり、私の仕事であり、私が楽しみながら行っていることです。ここに居て、毎日グループのメンバーと会うことになるでしょう。ここでは長い時間を過ごすことになると思います」
──今のバレンシアの状況をどう見ていますか?
「ギリギリの状態に居るので心配しています。でも前に進んで、この危険な状況を回避してくれるという期待を持っています」
──バラハとマルチェナの就任で、バレンシアは改善したと思いますか?
「私は2008年にその状況を経験しましたが、勝点を獲得しなければならない危険な状況でサッカー的な話をすることは非常に難しいです。でも、バラハのバレンシアはメスタージャとの団結でホームで2勝、無失点と大きく改善したと思います...改善していますし、目標達成するためのメンバーも揃っていますが、それで残留できるかどうかは残念ながら別の問題なのです」
──ソーシャルな緊張感も役に立ちません...。
「ファンはチームと一緒に居てくれます。私は2008年に降格の危機を経験しましたが、メスタージャではファンが最初の1分から応援してくれました。バレンシアの選手たちはファンに何かを与えなければなりませんが、最低限のものを与えられれば、ファンはその10倍以上のものを返してくれるはずです」
──バラハのベンチでの姿を見てどう思いましたか?
「私は希望と高揚感を持った友人たちの姿を見ることが好きでした。彼らはこの状況を既に経験しているので、状況に対処する方法を知っています。彼らの友人として、そしてバレンシアニスタのひとりとして、ベンチでスーツを着た彼らの姿を見るのはとても楽しみです」
──新しいスペイン代表についてはいかがですか?
「たくさんの変化がありました。代表でプレーするに値する力を持ちながらこれまで機会のなかった選手たちが多く居ます。分析するには時期尚早だと思いますが、勝利で始まったことは良い分析に繋がるでしょう。新しい代表チームの始まり方に好印象を持っていますし、今はサポートしながら楽しむ時間です」
元バレンシアの選手である"エル・ピオホ"ことクラウディオ・ロペスは、CFベニドルムの新たなオーナーとなったダビド・ビジャからのオファーを受け、DV7グループの一員としてCFベニドルムのテクニカルアドバイザーに就任することになりました。
この元アルゼンチン代表選手もまた、全てのバレンシアニスタと同様に現在のチーム状況を懸念しています。
「伝統を持ち、ファンにとても愛されているバレンシアがあの順位でデリケートな状況を過ごしていることは、心配だということ以上にとても悲しいことだ。でも僕は楽観的に見ている。バレンシアでの僕はいつもそうだったからね」
「今のバレンシアに関しては納得いかない点もあるけど、何よりもチームがうまくいくことを願ってるよ。オーナー?彼らについて詳しくは知らないので話せることもないのだけど、それ(オーナー交代)が解決策なのかもしれないね」
「バラハとマルチェナはグループを再構築するために素晴らしい仕事をしている。忍耐強く、最終的に目標を達成できることを僕らは待たねばならない。彼らふたりはバレンシアを家だと感じているし、家の人たちが苦しんでいることも当然理解している。彼らもそういう時期を生き抜いてきたのだから。小さな変化が結果をもたらし、バレンシアが僕らが望んでいる場所に居られると信じているよ」