ガットゥーゾ監督のワイルドカード
今季、ガットゥーゾ監督が頭を悩ませたのは出場停止処分や負傷者による選手の不足でした。特に顕著だったのがトリボーテ(中盤の3枚のMF)です。
そしてこの悩みを解消すべく、ガットゥーゾ監督が採用した2枚のワイルドカードはトニ・ラトとフルキエでした。そしてこの2人のサイドバックのプレーヤーは、本職ではないポジションでのプレーでも監督の期待に応えています。
ラ・ポブラ・デ・バルボナ出身のラトは今季既に左サイドバック、インサイドハーフ(トリボーテの前列)、さらには逆足の右ウイングでプレーしています。そしていずれのポジションでも目覚ましい活躍を見せ、充実していたとはいいがたいここ数年の評価をひっくり返しました。ガットゥーゾ監督はこのカンテラーノのチームでの働きに満足しており、先日のシンガポールでのピーター・リムとの会談でも今季いっぱいとなっているラトの契約延長を依頼したと言われています。
また、昨季からマルチロールな働きを見せているフルキエも、今季は本職の右サイドバックに加えて既に左サイドバック、右ウイング、センターバック、インサイドハーフでプレーしています。このグアドループ出身のプレーヤーはテクニック面でのウイークポイントをプレー強度、闘争心、高い戦術理解力で補っています。
先週末に行われたクレルモン・フットとの親善試合では、ユヌス・ムサとギジャモンがワールドカップ終了後の休暇中、イライクス・モリバが負傷からの復帰直後でベンチ外ということもあり、前半はラト、後半はフルキエと2人とも中盤でプレーしました。
その上で後半途中からはフルキエを右サイドバックに戻し、ハビ・ゲラやカルロス・ロドリゲス、アリ・ファダルといったカンテラーノを起用しました。