メインスポンサーのCazooがスペインからの撤退を発表
今季のクラブのメインスポンサーとなっているイギリスのオンライン中古車販売店「Cazoo」が、イギリス以外の国でのビジネスから撤退することを発表しました。これにより、バレンシアとのスポンサー契約にも影響が出る可能性があります。
バレンシアとCazooのスポンサー契約は年間400万ユーロ+インセンティブの2年契約+オプションで1年延長という内容となっています。Cazooの広報担当者によると、今回の海外事業撤退により、この契約を今季いっぱいで契約解除したいという意向のようです。
Cazooは今季バレンシア以外に、エヴァートン、アストン・ヴィラ、リール、マルセイユ、ボローニャ、フライブルグ、スペインではレアル・ソシエダやサスキ・バスコニア(バスケットボールのクラブ)などのクラブチームとスポンサー契約を結んでいます。イギリス以外からの事業撤退ということで、エヴァートン、アストン・ヴィラ以外のクラブが今回影響を受けることになりそうです。
今年の8月上旬にCazooは、非常に深刻な業績不振で事業方針を見直す必要があることを認めていました。そのため、今回の海外事業撤退については誰も驚いていません。そしてバレンシアとしても、現在のスポンサー契約が法的に拘束力のある契約であること、またスペインで事業を行わないことが契約を終了する理由にならないことを理解しているため完全に落ち着いています。
現時点でCazooから各クラブへの契約解除の正式な打診は届いていないようです。バレンシアとしては、まずは国内で同じ状況になるであろうレアル・ソシエダやサスキ・バスコニアと連絡を取り、状況を共有することから始めるようです。
Cazooとは?
Cazooは2018年に、ヨーロッパを代表するデジタル起業家の1人でもある、イギリスのビジネスマン:アレックス・チェスターマンによって設立された企業で、オンラインで中古車を購入できるサービスです。イギリスでサービスを開始して以来、既に50,000台以上の自動車を販売しています。
イギリスの他にフランス、ドイツ、スペイン、ポルトガルでも事業展開しており、4000人以上の従業員を抱えるCazooは、ヨーロッパで最も急成長している企業の一つです。過去2年間、オンラインでの自動車販売の世界のパイオニアとなっており、昨年8月にはニューヨーク証券取引所での取引も開始し、14億ドル以上を調達しました。
Cazooの目標のひとつがスペインでのシェア拡大であり、それを目指してのバレンシアやラ・レアルとのスポンサー契約だったと言えるでしょう。バレンシアとのスポンサー契約を結んだ当時のチェスターマンは「バレンシアのような歴史的なチームと契約できたことをとても嬉しく思います。彼らはスペイン全土に非常に熱心なファン層を持ち、ヨーロッパで大きな成功を収めているクラブです。私たちは2022年にスペインに最高の自動車購入体験を提供するために、ファンと地域社会にコミットしたいと考えています」と語っていました。