今季ヘルタ・ベルリンからレンタルで加入しているアルデレーテの契約には、2つの条件を満たした場合に700万ユーロ（メディアによっては750万ユーロとも）での強制買取オプションが発動するという条件が含まれています。

強制買取オプション発動の1つ目の条件は、彼が今季のラ・リーガで25試合以上プレーすることです。今季のリーガの残り試合は10試合ですが、アルデレーテはここまでで既に22試合に出場しており、あと3試合でOKということを考えれば、怪我さえなければ達成することは間違いないでしょう。

そして、2つ目の条件がバレンシアが来季の欧州カップ戦出場権を得ることです。こちらについては現時点でバレンシアが7位と勝点8差に居ることを踏まえると、リーガ経由での達成は難しいと言えます。しかし、国王杯に優勝すればヨーロッパリーグ出場権を得ることが出来るため、国王杯経由での出場権獲得が現実的です。つまり、国王杯優勝＝アルデレーテの強制買取となります。

では、4月23日の国王杯決勝戦でバレンシアが優勝を逃した場合、彼の獲得はどうなるでしょうか。

その場合、強制買取オプションが発動しないため、バレンシアとのレンタル契約満了をもってアルデレーテはベルリンに戻ります。

しかし、これで彼とバレンシアの関係が終わるわけではありません。欧州カップ戦出場を逃した場合、バレンシアは移籍マーケットで新たなセンターバックの選手を探しますが、そのリストの中にアルデレーテの名前も加えるでしょう。そして他の獲得候補者の価格やマーケットで付けられたアルデレーテの価格によっては、現在の700万ユーロを下回る金額でのオファーをヘルタに提出する可能性もあります。

もちろんヘルタがそのオファーを受けるかどうかはわかりません。ヘルタでアルデレーテを評価していなかったダールダイ・パール監督は既にクラブを去りました。バレンシアでのハイパフォーマンスを評価され、来季はヘルタの選手としてプレーをする可能性もあります。また、パラグアイ代表が今年開催のワールドカップに出場した場合、本大会での彼のパフォーマンスによっても彼に付けられる価格は変わります。

確実なことは4月23日のベティス戦が、アルデレーテの今後のキャリアに影響を与えるということです。