リーガの再開に伴い、監督の記者会見などの一部の恒例行事も復活してきました。セラーデス監督がレバンテとのバレンシアダービーを控えての試合前日会見を行いました。

会見では契約延長交渉が進んでいないフェランや、先日クラブを批判する動画をSNSに投降したガライの話題も出ましたが、セラーデス監督はそれらの質問にも丁寧に答えました。

──このリーガ再開について、最も心配していることは何でしょうか？
「皆で一緒にいられることで多少でも日常を取り戻したことを実感して、嬉しく思っています。そのうちこのプレスルームに全員が入れる時が来るでしょう。昨日、レバンテのパコ・ロペス監督と現在の状況について話しました。誰にとっても初めてのことであり、何が起こるかわかりません。プレーせず外出も制限された状態で3ヶ月が経過し、どのようにリアクションをとってよいのかもわかりません。自宅に住んでいて多くのトレーニングができた選手もいれば、アパートに住んでいて2ヶ月間走ることができなかった選手もいますので、今回の外出制限により私たちはチームのフィジカルを準備するためにあらゆる方法をとりました。ただ、普通の状態ではないとはいえ、再びプレーし、リーガを進めていくことをとても楽しみにしています。この試合のために最善の方法で準備をしてきました」

──バレンシアはアタランタとの試合でメスタージャでの無観客試合を体験しています。明日、その経験がチームの役に立つでしょうか？
「確かに私たちは経験しましたが、試合で起きたすべてのことが良い経験ではありませんでした。この経験が私たちにどのような影響を与えるかわかりません。私たちにとってファンが非常に重要であり、彼らの存在こそがリーガにおいて私たちがホームで負けていない理由の一つです。ファンなしでプレーすることは決して最高ではないし、できることならファンの前でプレーしたい。ただ、状況を理解しなくてはなりません。そのうえで私たちは良い試合をし、それをファンに捧げたいと思っています。たとえスタジアムに来られなくても、私たちは皆さんのサポートを感じています。皆さんに勝利を届けられることを願っています」

──前半戦のレバンテとの対戦では2-4で勝利しました。今回、試合展開はどうなると予想しますか？
「レバンテは非常に大胆なプレースタイルで、見ていて楽しいサッカーをします。通常彼らの試合はオープンになり、リーガ前半戦の私たちの戦いのように多くの攻撃機会とゴールが生まれます。明日も両チームがゴールを狙い続けるオープンな試合となるでしょうね」

──守備面を改善するための仕事をしましたか？
「以前の記者会見で話しましたが、様々な要因により、私たちは想定していたよりも多くの失点を喫しています。この3ヶ月間、私たちは自宅と職場の両方で時間を最大限に活用し、ポジション別、グループ別の仕事を行ってきました。順位を上げるためには守備面の改善が必須であることは認識していますし、そのために多くの時間を割いてきました」

──残り11試合となりましたが、明日の試合がチームの目標達成に影響を与えると思いますか？
「まだ試合が多く残っており、何も決まっていません。残り試合数が少なくなってきたら、目標がより明確になり、1つの試合が与える影響も多くなるでしょう。まずは、ダイナミックにプレーするライバル：レバンテとの一戦に焦点を当てています」

──パレホはそのパフォーマンスを考えると、チームにとってかけがえのない選手であることが明らかです。リーガ中断前、彼は最も出場過多な選手の一人でした。残りの11試合でどのように彼のコンディションを管理していきますか？
「ダニ（・パレホ）は特別なプレーヤーです。中断前は、ほぼすべての試合でプレーし、ハイパフォーマンスを披露しました。怪我人が多く出たため、私たちの想定より多くの時間をプレーすることになってしまったことは確かです。これからの11試合は超過密日程であり、すべての選手が必要となる──これが私のメッセージです。私たちは前例のない状況にあり、練習の再開も異例の形となりました。そしてプレーに慣れていない非常に暑い時期に試合をこなしていくことになります。ダニが休むべき日には彼の不在を補う選択肢がチームにはあります。彼は特別な選手なので、同じレベルではないかもしれませんが、その時が来たら私たちは最善の方法で対処するつもりです」

──ガブリエウ・パウリスタが数日間、全体練習に参加していません。今節の出場は難しいでしょうか。その場合、代役を検討していますか？
「ガビは月曜の練習時に怪我をしてしまい、全体練習から外れました。復帰は難しいと思っていますが、明日の試合は夜なので、様子を見るつもりです。招集リストの発表もギリギリまで待つことになるでしょう。彼がプレーできなかった場合も、チームには他の選択肢がありますし、その決定を下す準備もできています」

──フェラン・トーレスと契約延長のテーマについて話しましたか？この問題が彼のパフォーマンスに影響を与えるでしょうか？
「はい、フェランと話しました。彼とは頻繁に話すようにしています。先週負った膝の怪我を除けば好調といえるでしょう。彼は自宅でも非常に良いトレーニングをしてきました。彼自身は素晴らしい考え方を持っています。私たちは皆、彼の残留を願っていますが、これからどうなるかは見ていくしかないでしょう」

──フェランに何かアドバイスはありますか？
「まず私たちは、彼だけでなく全員にそれぞれの幸せな道を探してほしいと思っています。彼に関して言えるのは、彼が素晴らしい成長を遂げた驚異的な選手であり、私たちの誰もが残ってくれることを願っている、ということです。私たちがここに来て以来、彼はプレーするたびに成長し、ハイパフォーマンスを披露してくれるようになりました。加えて彼はバレンシアーノで、このクラブで育った選手です。うまくいけば、私たちは長い期間、フェランのプレーを楽しめることでしょう」

──ガライの発言についてどう思いますか？
「以前、私は自分の意見を述べました。しかしそれ以降、彼の怪我を含めて多くの出来事がありました。これはクラブと選手の2者間の問題です。現状は最高の状態ではありませんが、彼はチームの一人の選手としてロッカールームにいます。私は彼と個人的な会話はしていますが、彼が話したくないことについては触れません。選手たちにもプライバシーの問題がありますし、私の管理外のことになります」

──マキシ・ゴメスの負傷後の様子はどうですか？
「マキシは中断の少し前に足の骨の手術をしましたが、家では非常に良いトレーニングをしてきたと思います。リハビリも終わり、チームに良い状態で合流しています。私たちの選択肢のひとつとして彼を起用できるでしょう」

──残りの11試合でゲデスの最高の状態を引き出すことはできるでしょうか？
「今季のゲデスが苦しんだことは、継続してプレーができないことでした。当初は技術面の決定が理由であり、そのあとは怪我が理由でした。約3ヶ月の離脱後、チームに戻るのは難しかったと思いますが、復帰後は良い仕事をしてくれていると思います。今回の中断期間ではフォームを取り戻すことを課題としました。選手として非常に大きな可能性も持っていますし、私たちも彼に大きな期待を寄せています」

──セラーデス監督にとっても重要な11試合です。この11試合にあなたの将来がかかっていると感じますか？
「すべての監督と同じ感覚を常に持っています。この仕事が非常に不安定であることを理解していますし、私がコントロールできる部分ではないので特に心配はしていません。私は自分の仕事がうまくいくように努力を続けます」

──チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ出場を逃した場合、クラブの予算にどのような影響を与えるでしょうか？
「私たちはCOVID-19の危機により、クラブの収入が減少し、財政面に多大な影響を与えたことを理解しています。リーガの順位で収入が変わることはもちろん、チャンピオンズリーグ出場、ヨーロッパリーグ出場、ヨーロッパカップ戦なし、どの結果になるかで収入が大きく変わります。可能な限り収入が多くなるように、順位表の上を目指すつもりです」

──レバンテと一緒に「Levante-mos-Valencia」キャンペーンを行うことを告知しました。
「はい、クラブは非常に美しいイニシアチブをとり、レバンテも参加してくれました。人々のサポートが私たちにとって不可欠であり、皆さんの前でプレーしたいのですが、状況がまだそれを許してはくれません。そんな中、選手たちの努力でファンの皆さんに喜びを与え、チームを誇りに思えるようなアクションをおこしたいと考えました。再びサッカーを見られることは皆にとって大きな喜びです。日常を取り戻すための大きな一歩です。できることなら少しずつファンがスタジアムに戻ってきて、以前と同じ状況になってくれることを願っています」
※Levante-mos-Valencia：バレンシアの街にサッカーが戻ってくることを日常回復の重要な一歩と位置付け、すべてのバレンシア人にポジティブな気持ちを持ってもらおうというキャンペーン。