元バレンシアGKのセサル・サンチェスがスポーツディレクターとしてクラブに戻ってくることが公式発表されました。契約期間は2022年6月までの2年半です。

セサルはこれまでのキャリアで2度、バレンシアと関係を持っていました。最初は2009年1月、トッテナムから半年間の契約でやってきました。加入してすぐにハイパフォーマンスを見せてレギュラーを奪取。契約延長を勝ち取り、翌2009/2010シーズンにはLFPアワードで年間最優秀GK部門にノミネートされる活躍を見せました。2010/2011シーズンにはGKとしてのバレンシア史上最年長出場記録を更新しましたが、グアイタにポジションを奪われたことで、シーズン終了後にビジャレアルに移籍しました。

2度目は2013年10月。バレンシア・フベニールBのGKコーチに就任しました。2016年の夏に当時のアジェスタラン監督によってトップチームのアシスタントコーチに抜擢されましたが、アジェスタランの解任に伴いクラブを離れました。また、この2度とは別に、昨年3月に行われたクラブ創設100周年記念試合での大活躍も記憶に新しいところです。

セサルは、これまでのキャリアでスポーツディレクターとして働いた経験はありませんが、2012年の現役引退後もTVやラジオでのコメンテーターを務める傍ら、UEFAの監督ライセンスの取得、スポーツディレクターの知識を学ぶためのコースの受講、経済学の学士号取得と、サッカー界で仕事を続けるための勉強を続けてきました。

冬の移籍マーケットも既に半分以上が過ぎたこの時点で初めての仕事をスタートさせるセサル。3度目のバレンシアとの契約となる今回は今まで以上に難しい挑戦となるでしょう。喫緊の課題は5つ。最優先がフェラン・トーレスとガライの契約延長交渉、構想外のコレイアの受け入れ先探しと右サイドバックの補強、パコ・アルカセルの獲得交渉、そしてゴンサロ・ビジャールの獲得交渉です。

また、セサルとの契約とともに、かつてアルメリアでキャプテンとして活躍したミゲル・アンヘル・ガルシア・"コロナ"を新たなスカウティングマネージャーとして迎えたことも発表されました。セサルの右腕として働くことになります。

コロナは2017年に現役引退してすぐにアルメリアのフロントに入り、スカウトとして2年間働いてきました。しかし今季、アルメリアにサウジアラビア人オーナー：トゥルキ・アル＝シェイクがやってきたことでクラブの補強方針が変わりました。コロナは、自ら連れてきたオスカル・フェルナンデス新監督(元バレンシアB監督)をシーズン開幕前に解任されたことに不満を持ち、意見の不一致を理由にアルメリアを去っていました。

コロナのアルメリアでの2年間の仕事はサッカー界で高く評価されているそうで、バレンシアも彼の仕事ぶりに以前から注目していたようです。

そしてセサルは、さらに2人のスタッフを自身のチームに加えました。

1人目はマドリーのカンテラ出身で後にアルメリアやサラゴサでプレーしたセサル・ヒメネス。ルイス・フィーゴの悪質なタックルによる負傷が原因で現役引退したことでも有名です。もう1人は、アルメリアでコロナの右腕として働いてきたイバン・アンドレスです。2人ともスカウトの仕事を担当します。