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Bチームのダニ・ラミーレスのインタビュー

VCFメスタージャの司令塔ダニ・ラミーレス(22)は"レアル・マドリー工場"で作られた謙虚で才能豊かな左利きの若者です。今夏フリーエージェントでバレンシアにやってきた彼は、クラブにとって新たな「ファン・マタ・オペレーション」になる可能性を秘めています。

バレンシアが彼に大きな期待をかけている事は、彼を獲得する際に3年契約を提示した事からわかります。トップ下の位置からアシストやゴールでチームに貢献する事を求められたラミーレスの今季は29試合出場3ゴール(スタメン17試合、途中出場12試合)と、期待通りに進んだわけではありませんでしたが、チームの2部Bリーグ残留という目標を達成すべく、献身的に働き続けてきました。そしてリーグ戦残り4試合、チームは自力での目標達成が可能な位置につけています。

──バレンシアに来る事を決めたのは何故?
「マドリーは偉大なクラブだけど、僕はクラブから自分に相応しい扱いをしてもらえていると感じることが出来なかったんだ。バレンシアは僕にすごく興味を持ってくれて、より魅力的なプランを提示してくれた。それが決め手だったよ。自分の力を証明する、可能な限り上に行く、という目標を持ってここに来た。最初からトップチームでプレーできるという考えは無かったよ」

──マドリーのカンテラで育った君から見て、マドリーというクラブはどういうクラブなんだろう?
「世界最高のクラブのひとつであり、そこで成功をつかむ事は簡単な事じゃない。全てのカンテラーノがそれを目標にしていて、しかもそんな選手たちが本当に沢山居るわけだからね。毎日の練習で自分の価値を示せなかったら、すぐに世界中から来る他の選手たちと取り換えられてしまうだろう。フロレンティーノ(レアル・マドリー会長)はそうする事に決して躊躇しないタイプだから(笑)」

──バレンシアでは選手の扱いはどう?
「ここのスタッフは練習時間以外でも話をする時間を取ってくれる。調子を落としている選手や、サポートが必要な選手に気が付いて手を差し伸べてくれるんだ。僕がここに来た最初の日からルフェテはそう行動していた。その観点からいうとこのクラブはすごく快適だと言えるね。トップチームの選手たちも挨拶してくれるし、親近感を感じるよ。コーチ達も、ルフェテやジョアン・サルバンス(技術部門スタッフ)らも同じように選手たちにとって最高の環境を用意しようとしてくれている。すごく満足しているよ」

──その言い方からすると、マドリーではあまり関心を持ってもらえなかったという事になるのかな?
「全く異なる環境だった。スタッフと話した事なんて僅かしかないし、良いプレーをできなければすぐに下のカテゴリーに落とすという圧力が常にあった。僕の2部Bでの最初のシーズン(レアル・マドリーCに在籍)、僕はチームの得点王でアシストも2番目に多かった。でも僕はカスティージャ(レアル・マドリーB)に昇格出来ず、何の説明もなくもう1年Cチームでプレーする事になった。ここで成功する事は難しい事はわかっていたけど、最初から興味を持たれていないんだとしたら、難しいどころの話じゃないのは明らかだ」

──その君の前所属クラブは今、ホセ・ルイス・ガヤの獲得に熱を上げている。彼に対してのアドバイスは何かある?
「マドリーが彼を欲しがっているのは彼が素晴らしい仕事をしているからだ。僕からは何もアドバイスする事は無いよ。静かに状況を見守るだけだね(笑) マドリーは毎年選手を補強するクラブであり、そのために5000万ユーロ払う事も躊躇しない。彼らからのオファーにNoと言う事が難しい事も理解してる。でも、もし僕がバレンシアニスタで、これまでの人生すべてをここで過ごしてきて、彼と同じくらい沢山の人たちに愛されていたとしたら、僕はここに残るかな。バレンシアは良いチームだし、メガクラブとも対等に戦える競争力を持っているわけだからね」

──君は人生のほとんどをマドリディスタとして過ごしてきた。マドリーに対してのシンパシーも無くなったわけじゃないよね?
「僕は誰も欺くつもりは無い。僕はマドリード人であり、レアル・マドリーで長い年月を過ごしてきた。その間、常にマドリーのために働いたし、マドリーでプレーする事が好きだった。それは事実だ。でも今、もしバレンシアのエスクードを付けてマドリーと対戦する事になったら、マドリー相手にゴールを決めたいね。しかも1点じゃなく3点は取りたい。昔の仲間が相手でもゴールチャンスが着たら躊躇なくゴールを決めるよ。僕はバレンシアの勝利のために全てを捧げる。その思いはこれから先、僕がトップチームに昇格してマドリーとプリメーラで対戦する事があっても変わらない」

──今季のプレシーズンではヌーノ監督の招集メンバーに入ってたけど、トップチームに残れなかった。アピールに失敗したのかな?
「ここにきて、まずトップチームで練習したけど、すごく快適だったし、自分なりにアピールは出来たと思う。でもバレンシアは今、世界最高のクラブのひとつになろうとしている。そのチームにやってくる選手たちが自分たちの居場所を見つける事はやはり簡単ではないよね。僕が出来る事は、ヌーノに信頼してもらえるよう、チャンスを与えてもらえるように働き続けるだけだ。でももし今季そのチャンスが来なくても焦る事はないよ。クラブとは3年契約を結んでいるし、成長のために他のクラブにレンタルに行けと言われたら、何の問題も無くそれを受け入れるつもりだ」

──今季の自分のパフォーマンスに満足してる?
「ずっと前に言ったことがあるけど、決して満足はしていない。チームとリーグに適応するのに時間がかかってしまったんだ。マドリーに居た時もこのリーグは経験していたけど、こっちのグループはより競争力が高くて難しいと感じる。2試合続けてスタメンでプレーしたけど、その後に4試合ベンチスタート、再びスタメンに戻ったけどまたベンチに・・・今季は僕のベストシーズンにはならなかったけど、ほろ苦い思いのままシーズンを終えるつもりは無いよ」

──君がバレンシアに来た時、新たな「ファン・マタ・オペレーション」と報じられた事に重圧はあった?
「マドリーでは僕の仕事を見る人もいなかったし、僕について話す人はほとんどいなかった。ここに来たらその日にスーペルデポルテに掲載されて少し驚いた。その報道でもそうだったけど、僕がどんな選手かという事よりも、どこから来たかばかりが注目され、そこに居た理由を見せる事を求められ続けた。そういう意味では少し残念だった。僕はもっとサッカーを楽しまなければいけなかったんだ。もし僕が違うクラブから来て、もう少しチームに貢献出来ていたら、与える印象もだいぶ変わったんじゃないかな」

──君は22歳で初めて家を出た。外へ出ての生活は簡単ではないよね。
「21歳まで両親と一緒に住んでいて、突然新たな街でひとり暮らしになったからね。でもそれを言い訳にしたくない。ここに来て、自分の価値を証明する事より、このスポーツを楽しむ必要がある事を理解したよ。それが今までの僕の最大の過ちだったんだ」

──もう1年2部Bリーグでプレーする可能性については考えてる?
「考えていないね。これでもう3年プレーしたし、このカテゴリでのサイクルは終わったと思ってる。ゴール数は少ないけれど、アシスト数では去年とほぼ同じ数だしね。僕は2部リーグに挑戦しなくてはならない。でもまずはシーズンが終わってから考えたい」

──という事はバレンシアを去る可能性があるという事?
「そういう事じゃないんだ。バレンシアは僕が良い選手になる事を期待してくれている。そのために僕がしなければならない事は、2部Bでのプレーでは無く、クラブが指定したクラブか僕を求めてくれる1部か2部のクラブでプレーして成長する事だ。来季のトップチームに入れなくても、1年間のレンタルに出ると思う」

──トップチームとBチームの選手で誰のプレーに注目してる?
「パレホのプレーには常に注目してるよ。技術的にも素晴らしいし、彼の蹴るボールはいつでも正確だ。そしてアルカセル、彼は多くのゴールを決めているからね。Bチームではサルバ・ルイス、非常に競争力があって、いつでも良い試合をしている。彼と一緒にプレーする事は僕にとって喜びだ。前線の選手ではナチョ・ヒルかな。ホビットみたいに小さいから(笑) というのは冗談で、彼も正確なボールを蹴るんだ。そして得点力がある。初めて彼と一緒にプレーした時に衝撃を受けたよ」

──好きなサッカー選手は?
「ラウール(・ゴンサレス)は常に僕のアイドルだった。今はイニエスタとイスコに注目しているよ。2人とも僕のお気に入りのプレーヤーだ」

──プライベートではどんな生活をしているの?
「妻と犬2匹と一緒にパテルナ練習場の近くに住んでいるよ。静かな環境で住むのには最適だ。ここバレンシアはどこにいっても落ち着いた街だね。そしてご飯が美味しい。僕はパエージャが大好きなんだ。バレンシアとマドリードは街の規模では似ているけど、天気はここの方がはるかに良いね」

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