ジエゴ・アウヴェスのインタビュー
マルカで行われたジエゴ・アウヴェスのインタビューです。
──セービングの際、GKにはどんな感覚があるのでしょうか?
「パスを出す時や良いプレーをした時のような感覚じゃないかな。シュートを止める事が他の選手たちに安心感を与えるという意味ではGKは特権を持っていると言えるだろう」
──GKのパフォーマンスはストライカーと同じように評価されていると感じられますか?
「イエスだね。我々も試合に参加しており、試合の一部なのだから。加えて、ストライカーのゴールと同様に、試合でのセービングもチームメイトに自信を与える要素になるからね」
──あなたは今季良いシーズンを過ごしていますし、プレーを楽しんでいるように見えます。
「シーズンが開幕した時からそうしようと心がけてきた。僕らは明確な目標を持っているし、選手たちもファンもここまでの結果に満足している。このままいけば今季残りの時間を充実させる事も可能だろう。でも、サッカーの世界では物事があっという間に変化する。その変化に飲まれないよう、僕らは最後までバレンシアらしさを維持したいと思っているよ」
──PKについて伺います。バレンシアのファンは既にPKの笛が吹かれるたびに、あなたがPKを止めて当然という空気を創り出しています。PKを止める事がほぼ義務づけられているかのようなイメージを重荷に感じますか?
「その雰囲気は感じてる(笑) 特にメスタージャでのセビージャ戦でPKの笛が吹かれた時は、絶対に止めなければならないという雰囲気だったよね。PKというのは試合に追加される要素であり、皆、PKの瞬間を楽しむ事が好きだ。でも必要以上に責任を感じる事は無いかな。僕はいつも通りプレーするだけだ。PKを止める事は非常に難しい。止められる事もあれば止められない時もある。個人的にはPKの時の雰囲気は好きだよ」
──普段、サッカーを見ますか?たとえばライバルチームの研究などのために。
「サッカーを見る事は好きだよ。スペイン以外の国のサッカーもね。戦術的な観点から見たり、GKがどのように移動しているのかといった点に注意して見てるかな。試合観戦は自分の成長のための時間だ。僕はいつでも学びたいし、その役に立つ事はこれからも続けていくつもりだよ」
──あなたは今29歳ですが、何歳くらいまで現役でプレーを続けるでしょうか。
「僕の体がもつうちは。引退の時期については考えた事が無いんだ。サッカー選手としての寿命は短い。だから今この瞬間を最大限に楽しみたい。その後の事はその後に考えよう」
──サッカー選手は一般的に28~29歳くらいでキャリアの絶頂期を迎えると言われています。GKの場合はいかがでしょうか。
「サッカーの世界では多くの事が変化した。今は、チェルシーでプレーしているクルトワのようなとても若いGKも居る。彼は若いうちからアトレティコで良いシーズンを過ごし、早くに成熟したと言える。数年前だったら29~30歳がピークと言われていただろうけど、今はそうじゃないと思う。選手によってまちまちじゃないかな」
──GKはキャリアにおける浮き沈みが激しい事も特徴的なポジションです。どのようにその谷間を超えているのですか?
「GKは失敗と成功が一緒についてくるものだという事を理解する事かな。サッカー選手というのは全ての要素で失敗する可能性がある仕事なんだ。僕らは練習で日々、300回のシュートをセービングしている。それでも試合では成功と失敗の両方の可能性がある。それがGKの人生だ。責任感、要求、メンタル面の落ち込みをコントロールする事、それらが不可欠であり、それができなければ再び浮き上がってくる事は難しいだろう」