バレンシアによるエンソ・ペレス獲得交渉は移籍マーケットが開くとほぼ同時に始められました。しかし、マーケット最終週に入った現在も停滞したままです。所属元のベンフィカは、このアルゼンチン代表プレーヤーの違約金を3000万ユーロに設定しており、ピーター・リムからの2500万ユーロのオファーを拒否しているためです。

エンソ・ペレスがバレンシアにやってくる可能性を排除するのは時期尚早と言えるでしょう。サッカーの世界では、移籍マーケットが閉じる9月1日まであらゆる事が起きる可能性が残されています。しかし、バレンシアの希望は一日も早くチーム作りを終えることです。ピーター・リムはエンソ・ペレスの交渉が実現しない場合に備えてプランBを用意していると言われています。

現在、机上に名前を上げられているのはマンチェスター・ユナイテッド所属のMF香川真司(25)です。日本代表に選ばれている攻撃的なプレーヤーで、エンソと比べてフィジカルでは劣るものの、足元のボールを扱う技術においては上回っています。

香川は2012年の夏に、「ブンデスリーガ・チャンピオン」の栄誉と共にボルシア・ドルトムントからマンチェスター・ユナイテッドに加入しました。しかしながら、オールド・トラッフォードではその才能を生かし切れていません。そしてアンヘル・ディ・マリアの加入により、ルイス・ファン・ハール監督の指揮するチームには彼の居場所は無くなりました。バレンシアが望めば彼がレンタルで加入する可能性があると言えるでしょう。

しかし、サッカー選手としては疑いようのない才能を備えていますが、スポーツ的な観点から見ると、香川はエンソ・ペレスの代替であると言う事は出来ません。両者のプレースタイルには大幅な違いがあります。この日本人プレーヤーがバレンシアに来る場合、バレンシアが補強を望んでいる2つのポジションがストライカーとセンターハーフである事、ヌーノ監督が採用するフォーメーションが4-3-3である事を理解した上で、チームでの役割を果たさなければならないでしょう。

エンソ・ペレスについては、これから数日中にリムがベンフィカと接触する予定が組まれています。マーケットが閉じる最後の時間まで、エンソ・ペレスがやってくる可能性があると言って良いでしょう。ベンフィカは今度の日曜日(8月31日)に控えているスポルティング・リスボンとのダービーでエンソ・ペレスを出場させたがっている事を忘れてはいけません。ただし、この接触予定についてベンフィカは公式に否定のコメントを出しています。ここには、ベンフィカのファンがエンソについて交渉しないようにクラブに求めており、現時点でベンフィカのルイス・フェリペ・ヴィエイラ会長はあらゆる交渉の存在を否定しなければならないためです。