アマデオ・サルボ会長が6月17日にピッツィ監督と会い「今夏、トップチームの監督が替わる事になる」と直々に伝えた、という報道が複数のメディアで報じられました。事実上の解任通知と言えるでしょう。これからクラブとピッツィ監督の間で契約解除のための交渉に入ります。

既にクラブは来季の監督候補を準備しています。今季ポルトガル・リーグのリオ・アヴェFCを率いていたポルトガル人のヌーノ・エスピーリト・サント監督(40)です。

サルボ会長は、以前から「来季もピッツィ監督で行く」と公言しており、ピッツィ監督もバレンシアで、監督としてのキャリアを続けるはずでした。しかしながら、新たにオーナーに就任したピーター・リム氏は、監督の交代をサルボ会長に"決定事項"として告げました。そこで後任として名前を挙げたのが、自身の友人であるジョルジュ・メンデスが代理人を務めるヌーノ監督でした。

リム氏のクラブとなったバレンシアは、今夏の移籍市場の主役のひとつとなると考えられてきましたが、現時点でその予兆は見られません。何故ならリム氏のチーム作りが、大金を叩いてスター選手を獲得してメディアを賑わすというチェルシー、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマンがこれまでに行ってきたものとは違い、ジョルジュ・メンデスの顧客である選手を続々と迎え入れるというものだからです。そして今、新監督もメンデスが代理人業務を始めて最初のクライアントとなったヌーノになろうとしています。

ヌーノは2012/2013シーズン、ポルトガルリーグの中堅クラブであるリオ・アヴェで監督としてのキャリアを始めました。今季はリーグ戦で11位に終わったものの、ポルトガルカップ、リーグカップの2つのコンペティションでチームを準優勝に導き、リオ・アヴェにクラブ史上初の欧州カップ戦出場権をもたらしました。