元バレンシア会長のファン・バウティスタ・ソレール容疑者が、同じくバレンシア元会長のビセンテ・ソリアーノ氏を誘拐しようとした疑いで8日の夜に逮捕されました。また、彼の計画に加担したイタリア人も併せて逮捕されました。

複数のメディアの報道によると、ソレール容疑者は刑務所に一晩拘留された後に仮保釈となりました。しかし、検察は彼に懲役刑を科すことを要求しており、それに伴い、15日ごとに裁判所に出頭する事、ソリアーノ氏の15ｍ以内に近づかない事、国外への出国禁止、という措置がソレール容疑者に命じられました。

ソリアーノ氏は2008年の夏にソレール容疑者が保有していたクラブの株式を約9000万ユーロで購入しましたが、支払条件をたびたび破っていたようです。そして、その事が原因でこの2人のビジネスマンは2009年以降ずっと対立を続けてきました。バレンシア警察が2週間前にソレール容疑者の計画に関する情報をつかみ、ソリアーノ氏の身辺警護をしながら調査を続け、逮捕に至ったとの事です。

警察のつかんだ情報ではソレール容疑者がイタリア人容疑者とは別に殺し屋を雇っていた可能性があるそうですが、こちらに関しては取り調べで2人の容疑者が共に黙秘を貫いた事もあり、まだ明らかになっていないようです。

この事件について、バレンシアの広報部門は「クラブとは何の関係もない事件であり、何も言う事はありません」と、コメントを拒否しています。

ソレール容疑者は2004～2008年までバレンシアの会長を務めました。その間に新スタジアム建設計画に失敗し、クラブの借金を約3億ユーロ近く増やしました。彼が去ってから長い年月が流れましたが、バレンシアは現在もこの新スタジアム建設について頭を抱えています。