ダビド・ビジャの今夏の移籍について
ダビド・ビジャがバレンシアを去って3年が経過しましたが、バレンシアニスタにとって彼は、今でも当時と変わらないクラブのアイドルの一人です。
今夏、彼は3年間在籍したバルセロナを去ってアトレティコ・マドリーに移籍しましたが、バレンシアはこのスペイン最高のストライカーがカタルーニャのクラブを去るのを、黙って見ていたわけではありませんでした。
ビジャにバルセロナを離れる意思がある事を知ったバレンシアのアマデオ・サルボ会長は「メスタージャに帰ってきて、再びバレンシアのキャプテンマークを巻いてゴールを決めてほしい」とアストゥリアスのストライカーを説得しました。
サルボ会長は、ビジャの獲得がメスタージャのシーズンチケットの売上を押し上げる事、ファンの心を奮い立たせる事を知っていました。今夏のチームの補強に対してファンの熱狂が欠けている事が、彼の考えを後押ししたのでしょう。
加えて、ビジャ本人の希望もバレンシアのシャツを着る事でした。バルセロナを退団してスペインでキャリアを続ける時は、メスタージャに戻る、というオプションが彼のファーストチョイスである事は、彼自身が常に認めていたのです。
アトレティコ・マドリーが提示したオファーからもわかる通り、ビジャはかなりの金額の給与を失う準備をしていました。しかしそれでも、彼の獲得にかかる金額は今のバレンシアが出せる金額では遠く及ばない──収入減を覚悟していたビジャの想定を下回る──数字でした。
アトレティコの提示額はバレンシアの2倍の数字でした。条件面で不利なバレンシアは、ビジャを説得するよう試みましたが、その言葉も大きな数字の差を埋める事は出来ませんでした。