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元バレンシアのオスカル・フェルナンデス監督のインタビュー

2007年10月29日、キケ・フローレス監督を解任したバレンシアの経営陣は、当時Bチームの監督を務めていたオスカル・フェルナンデスに、トップチームの指揮権を預けました。

暫定とはいえ、33歳という若さでメスタージャのベンチに座ったオスカル・フェルナンデス。就任から2日で迎えたホームのレアル・マドリー戦は1-5と大敗しましたが、その4日後に行われたアウェーのマジョルカ戦で、彼は監督として1部リーグ初勝利(0-2)を手にしました。そして、ロナルド・クーマンの襲来により、彼の1部リーグでの挑戦は2試合で終わりました。

2006年の夏にバレンシアにやってきた彼は、バレンシアの下部組織の監督を務めた4シーズンの間にグアイタ、ジョルディ・アルバ(現バルセロナ)、ミチェル(現レバンテ)、ジャウメ・コスタ(現ビジャレアル)、ティモール(現オサスナ)、サンダサ(レンジャーズ)、チモ・ナバーロ(現アステラス・トリポリス)、イスコ(現マラガ)、パコ・アルカセルといった選手たちを指導してきました。

2010年にビセンテ・ミルに追い出される形でバレンシアを去った後は、ギリシャリーグでの短い挑戦を挟んで、ガンディアの監督に就任。このシーズンは成功と呼べるものではありませんでしたが、それが彼の履歴書を汚す事はありませんでした。

その後、新たな育成のメソッドを確立した彼は、昨年からカタールでの冒険をスタートさせています。

以下、VLC NEWSにて掲載されたインタビューです。

アスパイア・アカデミーはカタールの首都・ドーハを拠点とし、2004年に開始された若く有望な選手たちを育てるための野心的なプロジェクトです。そこでは、サッカーの能力に秀でた6~11歳の子供たちを、スカウトチームが探し連れてきています。そしてスカウトされた子供たちは、8歳から10年以上に亘る勉強とサッカーの総合的なプログラムを与えられます。そこに、採算という言葉は存在しません。

子供たちはレベルや年齢によっていくつかのグループに分けられますが、その全てのチームがヘッドコーチ、アシスタントコーチ、GKコーチを抱えています。オスカル・フェルナンデスはそのコーチ陣のひとりです。2012年の9月に、ユース年代の指導者のエキスパートとしてこのアカデミーに採用されました。

VLC NEWSは午後の練習が終わった段階で、彼に連絡を取りました。


──ここからバレンシアまで何kmくらいあるかわかりますか?
「検討もつかないよ!飛行機で計らないとわからないだろうけど、そもそも正確な距離を知りたいと思った事がないんだ(笑) 間違いないのは、故郷からはすごく遠い場所だという事だね」

──カタールに行く機会をどのように得たのですか?
「バレンシアのフィジコを務めていたフレン・マサチと話した時に、アスパイア・アカデミーがスタッフを募集してるという事を教えてもらったんだ。履歴書を送り、いくつかの面接をした。そのうちのいくつかは英語だったな。そして2012年9月に採用してもらった。3ヶ月の試用期間の後に、妻と幼い息子をこちらに呼び寄せた。ここなら生活の質を向上させ、毎日を楽しむ事が出来ると感じたからね」

──今現在のあなたの役割は何ですか?
「1996年組(生まれ)の責任者だ。アスパイア・アカデミーのU-17チームに当たる。代表チームの大部分が我々の選手たちで構成されている事を思えば、実質カタールのU-17代表チームを指揮していると言えるだろうね。非公式代表だけど(笑)」

──ドーハに降り立った時の最初の感覚はいかがでしたか?
「ここの人たちは提案された全ての物を採用するんだ。リソースを作るためのお金とキャパシティは不自由なくあるからね。驚いた事はあらゆるものが大きいという事かな。空港、スタジアム、世界的企業とね。我々が今働いている施設は一見の価値があるよ」

──それだけの投資をしているからには、当然アカデミーとしての明確な目標があると思います。
「短期的には、カタールの選手たちが国のトップレベルの到達し、外国のプロサッカーリーグでプレーできるようにする事だ。私も選手たちをそのように育てている。中長期的には2022年のカタールW杯に照準を合わせているよ。この大会のための準備を選手たちにさせているんだ。今季は、我々が外国のクラブのユースに子供を送り込んだ初めてのシーズンでね。シャルケに2人、オゼールに2人、セビージャに2人、ビジャレアルに2人、全員が95年生まれの選手で現在17~18歳だ。ワールドカップの頃には彼らは26~27歳になる。素晴らしく成熟した年代になるだろう。アカデミーの基本的な目標としては選手たちに出来るだけ早く同じレベルの人たちと競わせ、他の国のメソッドを学ばせる事だ」

──アスパイア・アカデミーを支えている王族の人たちと個人的な付合いはあるのですか?
「それが、本当に沢山あるんだ。我々は会議や会合で王族の人たちを良く知っている。彼らが特別な存在である事は事実だけど、彼らは我々を対等に扱ってくれるんだ。彼らは自分たちに必要なものを完璧に理解している。そこに向かって成長し、進歩するために、経済面のポテンシャルを活用しているんだ。この国には国際スポーツデー、スポーツ週間のようなスポーツを促進するための環境がある。サッカーも彼らの大きな野望のひとつなんだよ」

──アカデミーでは、どのようなスタイルのサッカーが好まれるのですか?
「マドリーとバルサがドイツ勢に完璧に負けたから我々スペイン人は肩身が狭いんだけど・・・(笑) ここでもスペインのサッカーは常に愛されているんだ。特にこの2つのチームについてはね。でも、我々はバレンシアのスタイルもそこに融合させようと努力しているよ。やはり攻撃的なサッカー、得点を獲れるチームが人気が出るね。ゴールやアシストを記録した選手たちには注目が集まるし」

──ゴールゲッターと言えば、ラウールがここカタールで長い時間過ごしていると皆が教えてくれました。
「そう。そしてスペイン代表チームも数か月前に来て、ここで練習して行ったんだよ。ビジャ、シルバ、マタ、ジョルディ・アルバらとも会う事が出来た。皆、私が指導した事ある選手たちだ(笑)とても興奮したね。ラウールの存在はこの国にとって別次元だ。アル・サッドでの彼のプレーを我々は可能な限り録画し、アドバイスとして若い子供たちへのサポートに利用させてもらっているよ」

──スペインの何が最も恋しいですか?
「何よりも家族だね。そして、この国で私がパエージャという単語を発する事はなさそうだ。ただ、ここもハムやワインは美味しいよ」

──私は、あなたがバレンシアの近況を注意深く追いかけている、のではないかと思っています。
「試合は全て見ているよ。その観点から言えば我々は非常に幸運だ。社会的な観点からでは評価する事は難しい。全ての情報を手にしているわけではないからね。ただ、しっかりとした監査を行った上で、誰かがありのままの状況を説明し、解決策を模索しなければならないだろう」

──アマデオ・サルボのバレンシアは、将来的にカンテラをベースとしたプロジェクトを選ばざるを得ないと思います。
「私がバレンシアに居た当時、誰もが"イスコはプリメーラのレベルではない""ジョルディ・アルバにサイドバックは無理だ"と言っていたのを思い出すよ。グアイタでさえも自分の価値を証明するためにレンタルに出る必要があった。これからのバレンシアは、選手を発掘し才能を伸ばして、良い選手たちを作り出さなければならない。そしてプリメーラでプレーするためのポテンシャルを備えた若手と、経験豊富な選手たちとのバランスを取っていかなければならないだろう。パテルナが今よりも活用されて、トップチームにより多くの若手選手が送り込まれるようになる事を願ってるよ」

──外国で経験を積んだ後、またバレンシアに戻る事を考えていますか?
「私は常に言ってきた。自分の家で、パテルナで、自分のクラブで働ける機会を得られた事は何にも代えがたい幸運であった、とね。いつの日か戻れたらいいなと思うよ。自分のクラブだから。でもまだ戻る事について真剣に考えた事はないんだ。将来の事より今の事を考えるのが好きな性分でね。もちろん自分の将来が素晴らしい物になればいいなとは思うよ。それがどんな場所であってもね」

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オスカル・フェルナンデス(プロフィール)


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