来季のトップチームの監督にクラブのOBであるマウリシオ・ペジェグリーノが就任する事が決まりました。ジョレンテ会長が5/7に行われたジンコ・ソラール社とのスポンサー契約延長プレゼンテーションの場で発表したもので、2年契約になります。

ジョレンテ会長のコメントによると、ビジャレアル戦が行われる前日、5/4の金曜日にペジェグリーノと合意に至ったとの事。正式なサインはまだのようです。

「フラコ(やせっぽちの意)」ことペジェグリーノはクーペル監督時代の1999年の夏にバレンシアに加入し、5年半の在籍で公式戦210試合に出場、5つのタイトル獲得に貢献しました。現役引退後、2007年の夏に指導者としてバレンシアに復帰。カデテBを率いてリーグ優勝を果たしました。この時の教え子たちが、現在バレンシアBで主力として活躍しているパコ・アルカセル、ファン・ベルナト、ロベルト・イバニェス、アドリアン・ジューナといった選手たちです。

2008年にはラファエル・ベニテス監督に誘われ、リヴァプールのアシスタントコーチに就任。インテルでの半年間を合わせて、2年半ベニテス監督の右腕として働き、世界トップクラスの選手たちを指導してきました。

クラブのOBがトップチームの監督を務めるのはキケ・フローレス(05-07)以来の事になります。またアルゼンチン人監督としてはアレハンドロ・スコペッリ(62-63)、アルフレッド・ディ・ステファノ(70-74,79-80,86-88)、ホルヘ・バルダーノ(96-97)、エクトル・クーペル(99-01)に次いで5人目となります。

これまで、エメリ監督の後任としてはミロスラフ・ジュキッチ(現バジャドリー監督)とホアキン・カパロス(現マジョルカ監督)の名前が報道されていましたが、実際にクラブはこの2人とコンタクトを取っていました。特にジュキッチに関しては、ジョレンテ会長がバジャドリー、とエルクレス(ジュキッチが昨季監督を務めた)の会長たちに彼の仕事ぶりについて情報を仕入れるなど、新監督の最有力候補として見られていました。ジュキッチ自身もバレンシアにOKを出しており、クラブの理事会もジュキッチを迎える事で異論はなかったと言われています。しかし、ジュキッチにはバジャドリーとあと2年の契約が残っていました。違約金を払いたくないジョレンテ会長は、この理由によりジュキッチを諦め、フリーのペジェグリーノを選びました。

カパロスについては、クラブが求める「成長を見込める若い野心家」というプロファイルに一致していませんでしたが、豊富な経験と若手選手の育成に定評がある事を評価し、リストアップされていました。ただ、クラブとしてはジュキッチに断られた場合の選択肢として考えていたようです。

そしてペジェグリーノとの合意が得られたため、ビジャレアル戦で今季の3位を確定した後に、ブラウリオ・バスケスSDがジュキッチ(現バジャドリー監督)の代理人カルロス・ブセロ氏に、ジョレンテ会長がホアキン・カパロス(現マジョルカ監督)の代理人のゴルカ・アリンダ氏に、それぞれ断りの連絡を入れたそうです。

ペジェグリーノは、ガブリエル・マカヤ、カルロス・コンパヌッチというアルゼンチンサッカー界に偉大な軌跡を残している2人のスタッフと共にエストゥディアンテス・ラ・プラタの監督に就任する予定でした。しかし、バレンシアからのオファーを受け、エストゥディアンテスに断りの連絡を入れたとの事です。バレンシアでは、エメリ監督退任後もチームに残るオチョトレーナGKコーチ、フレン・マサチフィジカルコーチらと共に働きます。