現時点ではアウェーゴールをひとつ抱えているシャルケが有利といえるかもしれません。しかし、バレンシアはこのアドバンテージをまったく恐れてはいません。

その根拠となるデータがあります。エメリ監督は今季のアウェーでの公式戦18試合で10勝4分4敗という高い勝率を誇っているのです。さらに現在のバレンシアはアウェーで3連勝中、しかも3試合全てが逆転勝利という勝負強さを見せています。

バレンシアはドイツのスタジアムで過去40年間で10試合戦って1勝しかしておらず、残りの9試合も2分7敗と惨憺たるもの。ドイツでの戦いは苦手といえるかもしれません。ただ、この唯一の勝利は2007/08シーズンのCLでシャルケ相手に収めたものあり、この事実もバレンシアの自信を高める要素となっています。

一方のシャルケは今季のリーグ戦で、ホームで既に5敗しています(ハノーファー96、ドルトムント、レバークーゼン、ハンブルガーSV、ホッフェンハイム)。さらにボルシアMG、シュツットガルトにはアレナ・アウフシャルケでそれぞれ2ゴールずつ叩き込まれ、引き分けに持ち込まれています。また、直近の公式戦5試合の成績も1勝2分2敗と、決してチーム状態が良いとはいえません。

そんな彼らにとっての有利な要素は、今季のCLのホームゲームで3戦3勝している事かも知れません。この3勝はベンフィカ、リヨン、ハポエルと、決して簡単ではない相手に記録されたものです。しかし、エメリ監督のバレンシアはおそらくアレナ・アウフシャルケよりも難しいと思われるオールド・トラフォードやアイブロックス・パークで負けていません。しかもブルサでの試合を含め、3試合全てでしっかりとアウェーゴールを奪っています。

1stレグが引き分けだったため、必ずしも勝利が必要とされては居ないバレンシアは、アウェーゴールを2つ奪えれば引き分けでも勝ち抜けが決まります。そして今季のバレンシアの得点力はシャルケがグループリーグで戦った3チームのどこよりも優れています。

バレンシアは今季のCLでここまで全参加チーム中4位タイとなる16ゴールを決めています。これはバルセロナよりも多く、レアル・マドリーやチェルシーと並ぶ数字です。また、枠内シュート数52本(枠内シュート率も52％)というのは全参加チーム中2位の数字です。

以上の点を踏まえてもバレンシアはシャルケを恐れる必要がありません。1週間前にバルセロナに敗れたとはいえ、この試合でもバレンシアは世界最高のチームを相手に互角以上に戦いました。これまで通りの戦いが出来れば、シャルケを上回ることは可能でしょう。そしてその時、バレンシアは再び欧州のベスト8に戻ってくる事になります。

予想スタメン(4-2-2-2)
グアイタ：ブルーノ、ナバーロ、リカルド、マテュー：アルベルダorトパル、ティノ・コスタ：パブロ、マタ：ソルダード、ジョナス