今夏も沢山の選手がクラブを去り、トップチームの選手が大幅に入れ替わりました。ラス・プロビンチャスが興味深い数字を出しています。

「エメリ監督の指揮下で生き残った選手は僅か7人」

多くの選手がクラブを去りました。ある者はエメリ監督のやり方を好まずに(逆もまた然り)、ある者はクラブの空っぽの金庫を満たすために。選手がクラブを去る場合、そこには様々な理由がありますが、エメリ監督就任時にトップチームに居た29人の選手のうち、今日現在、パテルナ練習場でエメリ監督と顔を合わせることの出来る選手は、僅か7人に過ぎません。

その7人はミゲル、マタ、アルベルダ、パブロ、マドゥロ、バネガ、グアイタ。しかし、バネガについてはプレシーズンでエメリ監督に失格の烙印を押され、このシーズンアトレチコへレンタルに、グアイタもこのシーズンの半分はBチームの選手として過ごし、翌年レンタルに出されました。

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という記事でした。つまり、2008/09シーズンからバレンシアに3年以上在籍している選手が7人というわけです。3年前は誰が居たかを思い出したいという気持ちも手伝って、実際に名前をあげて調べてみます。まず、就任時にトップチームに居た29人の選手。「エメリ監督指揮下」という事ですので、エメリ監督の練習初日(2008年7月14日)に参加していたメンバーでカウントを始めます。

GK　ヒルデブラント、グアイタ、ビュテル
DF　アレクシス、ダビド・ナバーロ、モレッティ、デル・オルノ、エルゲラ
MF　バラハ、エドゥ、ホアキン、パブロ、ビセンテ、フェルナンデス、アルベルダ、サニー
FW　モリエンテス、アングーロ、マタ、アリスメンディ、ジギッチ

以上の21名がエメリ監督が2008年のプレシーズンで最初に招集したメンバーでした。ここに代表招集された分休暇を長くもらっていたアルビオル、マルチェナ、シルバ、ビジャ、ミゲル、マドゥロ、バネガの7人と、ヒザを負傷し別メニューだったクーロ・トーレスを入れて29名。これが「エメリ監督の練習初日にチームに籍を置いていたメンバー」として良いと思います。

※ ナチョ・ゴンサレスは契約と同時にバレンシアに来る事無くニューカッスルに行っているため、ここでは除外。アルバもトップチームデビュー前にレンタルに出ているので、トップチームの選手としてはカウントしません。また、この前のシーズンでレンタルに出ていたレゲイロ、エストジャノフ、ガビラン、シシは、エメリ監督がチームに加わえないまま(一度もエメリ監督の指導を受けないまま)チームを去っているので、やはり除外します。

そしてここから選手たちの退団ラッシュが始まります。まずアリスメンディがこの年の開幕前に退団。冬の移籍マーケットではヒルデブラントとエルゲラが契約を解除し、退団しました。2009年の夏には、クーロ・トーレス、アルビオル、モレッティ、エドゥ、モリエンテス、アングーロが退団。2010年の夏にはマルチェナ、シルバ、ビジャの世界王者3選手に、バラハ、ジギッチ、アレクシス、ビュテルがクラブを去りました。

その間、構想外となっていた選手たちの扱いについてクラブは苦しんでいました。オファーが無い選手たちをレンタルに出す事で、一件クラブがスリムになったかのように見せてはいましたが、夏が来るたびにチームは30名以上の選手を抱える事となり、同じ悩みを抱え続けていました。そして今夏、フェルナンド・ゴメスを追い出し、選手の去就についての権限を得たジョレンテ会長は、ビセンテとの契約延長を断り、ナバーロ、デル・オルノ、サニーといった構想外の選手たちの契約を次々と解除。移籍を望んだホアキンとフェルナンデスも移籍金を低く設定、早い段階で放出し、チームをスリム化させました。これは選手の補強について多くを求めないエメリ監督が、毎年唯一クラブに出していた注文でもありました。また、これによりクラブはパレホとピアッティの獲得交渉を素早くスタートさせることができ、その交渉はプレシーズン開幕までにまとめ上げられています。

現在のチームで最も在籍が長いのはアルベルダ(13年)で、ミゲル(6年)、マタ(4年)、マドゥロ(3年半)、パブロ(ヘタフェから戻ってきて3年)、バネガ(2年半/1年間のレンタルを除く)、グアイタ(2年/1年間のレンタルを除く)と続きます。現在トップチームに残っている23名のうち、実に約半数の11名が在籍1年以下の新戦力となっています。