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Fede Nicolás Cartabia - バレンシアの新たな魔法使い

2006年の夏にアイマールがバレンシアを去った時、多くのバレンシアニスタが、この小さなアルゼンチン人の魔法をメスタージャで見られなくなる事に落胆しました。しかし、その落胆はすぐに過去の物となりました。セルタから戻ってきたカナリア出身のプレーヤー、ダビド・シルバがメスタージャに新たな魔法をかけたからです。

ダビド・シルバは、バレンシアのトップチームでの最初のシーズンとなった2006/07シーズン、若干20歳ながらレギュラーとして開幕戦からピッチに君臨し、11月にはA代表に選出されました。また、ベスト8まで駒を進めたCLでは、全てのバレンシアニスタを歓喜に包んだ2つのゴラッソで欧州中にその名を轟かせました。最終的にシルバはこのシーズンの公式戦51試合に出場(9ゴール)。この時、全てのバレンシアニスタが、この20歳の魔法使いを見て、クラブの黄金期が再びやって来るのを夢見た事でしょう。

しかし、その夢はあっという間に崩れ去りました。2007/08シーズンのチーム崩壊を経てクラブは深刻な財政難に陥り、シルバの名前は毎年のようにマーケットに上がる事になりました。そして2010年の夏、W杯優勝でスペイン全土が盛り上がる中、バレンシアはスペイン最高のストライカーであったダビド・ビジャと共に、彼を手放したのです。アイマールが去ってから僅か4年の事でした。

それでも多くのバレンシアニスタは、落胆することなく言いました。「俺たちにはイスコが居る」と。

バレンシアのカンテラは、シルバの穴を埋める事が出来る新たな魔法使いを生み出していました。18歳のMFイスコ・ロマン・アラルコンです。VCFメスタージャで桁違いの輝きを放っていた彼は、このシーズンのメスタージャで行われた国王杯ログロニェス戦で公式戦デビュー。いきなり4人抜きゴールを見せるなど、メスタージャに大きな衝撃を与えました。

しかしながら、バレンシアニスタは再び、このマラガ出身の魔法使いも手放す事になりました。19歳となったイスコは「クラブは僕を正しく評価していない」という言葉を残し、トップチームデビューからわずか一年で故郷に帰ってしまったのです。予想外の出来事に多くのバレンシアニスタが彼に怒りをぶつけました。ソーシャルネットワークの存在によって、バレンシアニスタの罵声は直接彼の下に届く事となり、彼の心からバレンシアは消えました。

三度、自分たちを魅了してくれる魔法使いを失う事になったバレンシアニスタですが、これまでがそうであったように、彼らが落胆する必要はないかもしれません。バレンシアのカンテラは再び新たな金の卵を生み出そうとしています。先日アルゼンチンU-20代表に選ばれた、現在19歳のMFフェデリコ・ニコラス・カルタビアです。

仲間たちから"フェデ"と呼ばれるこの若者は、2010年にパテルナにやってきました。速さ、広い視野、豊富な運動量、そしてラストパスを出せる攻撃センスを持ち、攻撃的なポジションであればどこでもこなせるという彼の特性は、チームの攻撃を任せるのに充分なものでした。加入後も順調にカテゴリを上げていき、今季はVCFメスタージャに昇格。セルヒオ・ベントーサ監督の貴重な攻撃のオプションのひとつとなっています。

彼の名前がクローズアップされたのは、今年8月の事です。ラルクーディアで行なわれるU-20国際トーナメントに出場するため、チームと共にバレンシア入りしていたアルゼンチンU-20代表のマルセロ・トロッビアーニ監督が、見学のためパテルナ練習場を訪れ、ミニ・エスタディで行われていたVCFメスタージャ×UCAMムルシアの練習試合をスタンドで観戦しました。この試合でフェデのプレーに感銘を受けたトロッビアーニは、フェデがアルゼンチン人である事を聞くと、すぐにアルゼンチンサッカー協会のスカウトを2人、バレンシアに送り込みました。

そして10月、トロッビアーニは、チリのラ・セレーナで行われた4ヶ国対抗国際トーナメントに参加するチームの招集リストにフェデの名前を書き込みました。チリ、アルゼンチン、コロンビア、メキシコの4つのU-20代表チームで争われたこのミニトーナメントで、アルゼンチンU-20代表は1勝2分で優勝。フェデは初戦のメキシコ戦と、2戦目のコロンビア戦に出場しました。

順調に行けば、このパテルナの新たな魔法使いは来年6月にトルコで行われるU-20W杯の舞台に立つチャンスがあります。1月~2月に母国で開催されるU-20南米選手権でアルゼンチンは、ボリビア、チリ、コロンビア、パラグアイと同じグループに入っており、この大会でベスト4に進めれば、本大会の切符を手にする事が出来ます。

しかし万が一、本大会出場を逃すようなことがあっても、バレンシアニスタにとってフェデの価値は変わりません。1月に19歳となるこの若者には、近い将来、これまでの3人の魔法使いと同様の愛情が降り注がれる事になるでしょう。また、彼がマリオ・ケンペス、キリ・ゴンサレス、エベル・バネガらと同じロサリオの出身であるという事も、バレンシアニスタの心をくすぐる要素の一つとなるかもしれません。

» フェデリコ・ニコラス・カルタビア プロフィール

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