サム・カスティジェホ獲得決定
イタリアのACミランから元スペインU-21代表MFサム・カスティジェホ(27)を獲得しました。2025年までの3年契約で、ミランとの契約を解除しているため移籍金はかかりません。
左利きのカスティジェホはマラガのカンテラ出身のウインガーです。2014/2015シーズンに19歳でトップチームに昇格し、翌2015/2016シーズンにビジャレアルに移籍しました。2018年の夏にミランに移籍。今夏4シーズンぶりにスペインに戻ってきました。ミランでは移籍初年度の2018/2019シーズンにガットゥーゾ監督の指導も受けています。
今夏のバレンシアはチェリシェフ、エウデル・コスタ、ブライアン・ヒルがチームを離れたこともあり、ウインガーの補強を課題の一つとして進めていました。そんな中「リーガでの実績が十分な即戦力であること、移籍金をかけずに獲得できること、給与がそれほど高くないこと、将来的に売却して利益を挙げられること」というバレンシアの求めるプロフィールを満たしていたのがカスティジェホでした。もちろんガットゥーゾ監督が既に彼を知っていたことも、獲得の動きをスムーズに進めたことは間違いありません。
2018年にミランは彼を獲得するために2100万ユーロもの費用をビジャレアルに支払いました。ガットゥーゾ監督の指導を受けた初年度はリーグ戦31試合に出場しましたが、プレー時間は1000分強と、その大半はベンチスタートでした。その後の3シーズンも継続してプレーすることが出来ず、十分に活躍したとは言い難い成績を残しました。
昨季は彼にとってキャリア最悪のシーズンとなりました。11年ぶりのセリエA優勝で再び強豪に返り咲いたチームの中で、リーグ戦5試合、わずか122分のプレー時間に終わりました。そして今夏の契約解除に至りました。
27歳のカスティジェホには、まだキャリアを輝かせるための時間があります。そして彼は再びラ・リーガの舞台で、バレンシアの選手としてそれを目指す決断をしました。
バレンシアにとって次の課題はこのウインガーをチームに登録することです。しかしFFP違反での制裁対象となっているバレンシアは現時点で彼を選手登録できません。選手の売却で収入を得ない限り、カスティジェホはバレンシアのシャツを着てプレーすることは出来ないでしょう。
選手登録をできていないのはバレンシアだけではありません。PlazaDeportivaによるとウーゴ・ドゥロ等の買取オプション行使での選手獲得を除いて、ラ・リーガのチームはこれまでに40人以上の選手獲得を行っていますが、その中で今季の選手登録が出来ているのは現時点でたったのひとり(アトレティコのヘルマン・ベルトラメ)です。