ヌーノ監督はセビージャ戦前日の公式会見で、BチームのDFサルバ・ルイスとMFカルロス・カルボネル、通称"トロピ"を正式にトップチームに昇格させることを発表しました。

サルバ・ルイスは現在19歳。バレンシア・ユースの各年代を同い年のガヤと常に一緒に過ごし、ペジェグリーノ監督時代の2012年11月にトップチームでの公式戦デビューを果たしました。スペイン各年代の代表招集や、Bチームへの昇格、トップチームの練習や合宿での招集など常にガヤの一歩前を歩いてきた彼ですが、昨季修行のためにレンタル移籍したテネリフェで監督の構想外となってしまいました。その間に、VCFメスタージャでレギュラーとしてプレーしていたガヤがトップチーム昇格を果たし、サルバはVCFメスタージャにガヤの穴を埋める形でバレンシアに復帰する事になりました。

そしてガヤのトップチーム昇格からちょうど一年、サルバ・ルイスは彼と同じ舞台にたどり着きました。ガヤはマルカ選定の今季前半戦のリーガのベストイレブンに選ばれるなど、トップチームでの実績でサルバの先を進んでいますが、彼もまた同じようにトップチームでの活躍が期待できる選手です。

サルバ・ルイスのポジションは左サイドバックですが、左センターバックでも問題なくこなせており、昨季のバレンシア復帰後は「Bチームのジョレミー・マテュー」と評価される事もありました。しかし彼は、高い推進力を備えたマテューやガヤとは違い、高い守備力を武器にサイドバックとしての役割を果たすことになるでしょう。VCFメスタージャでは「サルバが左サイドバックでガヤが左ウイング」もしくは「サルバが左センターバックでガヤが左サイドバック」というコンビがよく見られました。トップチームでもこのコンビが見られる日が楽しみです。

一方、もうひとりの昇格選手である"トロピ"ことカルロス・カルボネルも現在19歳。戦術理解力とボール奪取能力に優れており、ボールを配給する役目もこなすピボーテです。これまでのバレンシアのカンテラのほぼ全てのカテゴリーでキャプテンを務めており、昨季はルベン・バラハ監督のフベニールAでリーグ優勝を果たしました。今季はザヒボとのコンビでBチームの中盤を支えて、これまで21試合中16試合に出場しています。

バレンシアはこの冬の移籍マーケットで、マンチェスター・ユナイテッド所属のスコットランド代表MFダレン・フレッチャーの獲得を目指していました。しかし、この交渉が実らなかった事に加え、レンタルで加入しているスクリーニがヌーノ監督の求める役割を果たせていない事から、この時期の昇格となりました。

2選手とも早々にリーグ戦4位以内が決まった後の消化試合、あるいは大量得点で勝利濃厚となった展開、負傷者の多発といったイレギュラーな要素が無ければ今季中の公式戦デビューは難しいでしょう。しかし、昨季のガヤがそうであったように、今季残りの半年間をトップチームで過ごす事は、彼らの来季の飛躍につながるかもしれません。