さよならジョエル
クラブが昨日、BチームのDFジョエル・ジョンソン(20)との契約を解除していた事がわかりました。
ジョエルはここ3シーズン、Bチームの主力として左右両方のサイドバックをこなし、コンスタントに出場を続けてきました。そして今夏、ミゲルとブルーノの退団により彼にもチャンスが回ってくるかと思われましたが、クラブはポルトガル代表のレギュラーであるジョアン・ペレイラを獲得し、彼のトップチームへの道を閉ざしました。
バレンシア一筋でプレーしてきた彼の名が知られるようになったのは、2009/2010シーズンの事です。2010年2月に行われたポロニア・ワルシャワとの練習試合でトップチームデビューを飾ったジョエルは、この試合のパフォーマンスでエメリ監督の心をつかみました。同月に行われたUEL:クラブ・ブルージュ戦で公式戦のトップチームのメンバーに初招集。この時出番は得られなかったものの、3月には、リーガ第25節ラシン・サンタンデール戦で、クラブ史上3番目の若さでトップチームの公式戦デビューを果たしました(試合は0-0の引き分け)。その後、トップチームがサイドバックを多数抱えた事もあり、チャンスは得られなかったものの、エメリ監督のジョエルへの信頼は変わっていませんでした。それを証明するかのように、シーズン終了後に行われたアメリカツアーで、ジョエルは2試合共に出場しています。
ジョレンテ会長は現職就任以来、公の場でカンテラの重要性を説いてきましたが、これまでのところ、自身の言葉を実践するには至っていません。ジョレンテとブラウリオは、どれだけ安く(あるいは無償で)選手をクラブに連れてこられるかに注力しており、小学生の頃よりクラブに忠誠を尽くしてきた選手たちにチャンスを与えることなく手放し続けています。国内外から注目を浴びるパコ・アルカセルの去就を決めないまま、ストライカーの補強に熱を上げる姿はその象徴と言えるでしょう。
そして今、この20歳のサイドバックのプレーヤーも、マヌエル・ルスやダビド・ロンバン、チモ・ナバーロ、マヌエル・リージョほか多くの選手たちと同様に、クラブのカンテラ軽視による新たな犠牲者となりました。カルレス・ヒルは契約を延長しましたが、彼の前にはピアッティに加え、ジョナタン・ビエラとグアルダードという壁が新たに立ちはだかる事になりました。そして一歳下のベルナトも居ます。この若いアタッカーもまた、新たな犠牲者となる可能性があります。