今季フベニールBに在籍しているベネズエラU-17代表FWマルコ・ファリサト(17)。彼は2014年の1月にベネズエラリーグのアトレティコ・ベネズエラからバレンシア・カデテAに加入しましたが、「18歳未満の国際移籍禁止」というFIFAのルールにより移籍の許可がおりず公式戦に出場できない日々が続いていました。

しかし、交渉を1年間続けてきたクラブの努力が実り、昨日、FIFAはファリサトの移籍許可を出しました。これにより、このベネズエラ人FWはミゲル・グラウ監督のフベニールBでリーグ戦に出場できるようになりました。

ファリサトは、ボリビアで行われたU-15南米選手権(2013年11月)にて、ベネズエラU-15代表のキャプテンとして良いパフォーマンスを見せた事で注目を集めました。その後すぐにアトレティコ・ベネズエラのU-18チーム、トップチームととんとん拍子に昇格した事で、バレンシアのスカウト陣が彼に声をかけたところから物語は始まります。

昨年1月に入団テストを受けるためカラカスから大西洋を渡ってバレンシア入りしたファリサトは、難しいバレンシアの入団テストを難なくクリアしました。当時バレンシアは、カデテAに彼を加える事を決定しましたが、彼が当時15歳であったためFIFAから移籍の許可が下りなかったことで正式に選手登録できず、リーグ戦で彼を起用することができませんでした。

しかしファリサトは母国に戻る道を選びませんでした。バレンシア市から北西15kmの街ベテラに家族と共に引越し、ベネズエラ代表に招集される時以外はパテルナで練習を続けました。

その間、バレンシアの選手としてリーグ戦には出場できなかったものの、練習試合や国際親善トーナメントで自身の力を見せてきました。明確な例では、先月にインドネシアで行われたフレンツ・インターナショナル・カップです。バレンシア・フベニールBはこの大会において、準決勝でアルゼンチンのエストゥディアンテスに延長で敗れたもののポジティブな印象を残しました。そしてファリサトはこの大会で、ペナルティエリア外からのゴラッソを含む2ゴールを記録しました。

一方で、このような大会で結果を残す事は欧州メガクラブからの注目を集める事に繋がります。ファリサトも例外ではなく、既にレアル・マドリーが彼の獲得に強い興味を示していました。そのためクラブは、出来るだけ早く公式に認められた方法で彼をチームに登録すべく努力を続けてきました。

バレンシア移籍が認められ、公式戦出場許可を得たファリサトですが、リーグ戦デビューは今しばらく先の事となるでしょう。パラグアイで行われるU-17南米選手権(3月4日～29日)に出場するベネズエラU-17代表に招集されたためです。彼の代表チームは今週末から代表合宿を行います。彼のデビューは大会終了後となるでしょう。