2008/09シーズンのメインスポンサーであったValencia Experience社(以下、VE社)をスポンサー契約不履行で訴えていた件で、商事裁判所はVE社に対してクラブに500万ユーロの違約金を支払うよう命じました。

VE社とはファン・ソレールが会長を務めていた2007年12月に「2008年7月からの一年間で600万ユーロ」というメインスポンサー契約を結んでいました。しかし、いつまでもスポンサー料が支払われなかった事から、ソレール辞任後の2008年9月に当時のビセンテ・ソリアーノ会長がVE社との契約を強制的に解除。同年11月に契約不履行により同社を訴えました。

その中の調査で、VE社は、架空の収支を立ててクラブの負債をごまかすためだけに作られた急遽作られた実体の無い架空会社である事がわかりました。業務実績もなく、社員への給与を4ヶ月滞納したあげく(実質一度も払っていない)、それについて不満を唱えた社員を解雇にしたため、社員たちからも訴えられています。

バレンシア市内の商事裁判所の判決では、VE社側が訴えていた「クラブ側の一方的な契約解除に対する支払いの免除」が却下され、クラブ側の訴えがほぼ全面的に認められました。契約時のスポンサー料は600万ユーロでしたが、VE社との契約の際の仲介業者がクラブに対して違約金として100万ユーロを支払うと申し出ているため、500万ユーロでの決着となりました。またこれに加えて、訴状が出された2008年11月12日からの約2年分の未収利息の支払いもVE社に科されました。

ただ、実体の無い会社の誰から違約金を取るのかという点が次の問題となります。スーペルによると、VE社を立ち上げたファン・ソレール、VE社が架空会社という実態を知りながらスポンサー契約を結んだ当事の取締役であるヘスス・ウォルステイン、その当時のクラブの広報部長を勤めていた、現在バレンシアVF財団の会長を務めるタルシロ・ピレスの3人の名前が挙げられています。財団のピレス会長は当事の役員の中で唯一現在もクラブに居る、という事で名前が挙がっているようです。