ガイスカ・メンディエタのインタビュー (2009.10)
1992年から2001年までバレンシアに在籍し、近代バレンシアの礎を作った偉大なキャプテン・メンディエタのインタビュー。
ちょっと古いですが、2009年10月に行われたものです。
今、どこに住んでいるの?
「イングランドだよ。でもしょっちゅうスペインに帰ってるけどね」
これからどうするの?
「自分でもわからない。まだ何をするって決めてないんだ。今は人生のいくつかある区切りの一つで、次のスタートまでの充電期間とでも言っておこうかな」
という事はやっぱり現役引退したと考えていいんだね。やりたいことはあるの?
「だから、今は充電期間なんだって。次に進む道を決めるために、あらゆる可能性について研究しているよ」
暇な時間は何をしてるの?
「今は投資について勉強しているよ。土地や家屋の売買、賃貸なんかの不動産業がメインかな」
バレンシアに加入したばかりの頃の事は覚えてる?
「すごく良い思い出ばかりだ。すごく良い時間を過ごしたし、多くの友人と出会えた。加入して最初のプレシーズン合宿、メスタージャのピッチ、デビューした日...あれからだいぶ年月が経ったけど、今でも鮮明に思い出せるよ」
バレンシアでの君の最も良い思い出は何?
「タイトルを獲得した事、国王杯の決勝戦、チャンピオンズリーグ。毎年それぞれ重要な試合はいくつかあるけど、デビュー戦が私にとって最も大切な思い出かもしれないね」
その国王杯決勝戦──1999年にセビージャで行われた試合だ──でのスーパーゴールを振り返ってみてどう?
「たぶん、私のキャリアで最も輝いた瞬間の一つだと思う。10年経った今でもインターネットでそのシーンを見られる事には驚いたけどね。でも特別なのはゴールだけじゃない。その試合の全てが、そしてタイトルを獲得した事も含めて、その一日が全てのバレンシアニスタにとって特別だったんだ」
君のキャリアに最も影響を及ぼした人は誰?
「私がバレンシアと契約を結んだ時、当時のヒディンク監督とアルトゥロ・トゥソン会長が僕にオファーをくれたんだ。彼らから声がかからなかったら私はバレンシアとの契約にサインしてなかったと思う。でも、その質問に答えるとしたら、まだ若かった私を全面的に信頼してくれて、沢山の出場機会を与えてくれたエクトル・ヌニェス監督かもしれないね」
サッカーの次に君が情熱を注いでいるものって何?
「音楽だ。ロックは最高だよ」
試合前にはどんな音楽を聴いていたの?
「いろいろなCDを持ち歩いてたよ。その時に発売されたニューアルバムとかね。特定のアーティストには拘ってないんだ。El Hombre Burbuja、Los Planetas、Habitación Roja、Pavement、Clinic、Beulah、Spoon、The Strokes、Teenage Funclub、Nirvana、Radiohead...この辺でいいかい?(笑)」
バレンシア時代のチームメイトと今でも連絡を取り合ったりする?
「するよ。ファン・サンチェスやカマラサ、ヒネールとは頻繁に話してる。他にも一緒にプレーした当時の仲間とはそれなりに連絡は取ってるよ」
君の事を"エスクードのコウモリ"と呼び始めたのは誰?
「ペドロ・コルテス会長だね。有名な話だよ。バレンシアのシンボルと同一視されたことはすごく誇らしかった」
バレンシアの人たちはもう"エスクードのコウモリ"の事を忘れちゃったのかな。
「私がバレンシアに行くと、街中でたまに声をかけられるんだ。長い時間が過ぎてるのに、覚えていてもらえるというのはすごく嬉しい事だよね」
普段から冷静な君だけど、ピッチの上で興奮する事ってあるの?
「だいたい試合開始の直前はテンションが上がってるよ。特にデビュー戦や、ベルナベウでの私の最初の国王杯決勝戦(94/95シーズン・デポルティボ戦)、セビージャでの国王杯決勝戦なんかはいつも以上にね」
君はバレンシアの選手会に加盟した。選手会についての君の印象を聞かせてくれる?
「非常に素晴らしい組織だと思っている。ここのリーダー(ヒネール)はクラブの事も現場の事も完璧に理解している人間だからね。選手会のスタッフがクラブと共に一丸となって努力をしているおかげで、既に多くのポジティブな変化が起きている。私もこの組織で、自分に出来る事をして、チームを助けていきたい」
現在のバレンシアの選手達に向けて何かコメントしてくれる?
「君たちが多くの幸運と成功に恵まれる事を願っています。そして私たちに多くの喜びを与えてください」
ファンに向けてもひとこと頼むよ。
「私をサポートしてくれた全ての人に感謝の気持ちを伝えます。ありがとう。君たちにも多くの幸運が訪れますように」
常に毅然としていて、黙々と仕事をこなす。プレーで皆を引っ張るタイプの選手だったと思います。
どんなポジションもハイレベルにこなし、大事なところでゴールを奪ってくれるという、R・マドリーのラウールと同じような、今で言うとリヴァプールのジェラードのようなカリスマを持った選手でした。
ずっとバレンシアに居て、バレンシアで引退して欲しい選手だったので、ラツィオに移籍したときは心底悲しみましたが、こうしてバレンシアとの関係が続いている事がわかって嬉しかったです。