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ジョナタン・フェルナンデス記者(Diario AS)のコラム「リーガにおける外国資本の失速」

Diario ASのジョナタン・フェルナンデス記者の「リーガにおける外国資本の失速」というコラムを紹介します。

「リーガにおける外国資本の失速」

今季のラ・リーガ・プリメーラの順位表の下から5チームは外国人オーナーのクラブです。バレンシアとアルメリアは救われましたが、エルチェ、エスパニョール、バジャドリーは地獄のセグンダに降格することになりました。

止まることなく進化するサッカーの世界では変化の風が吹き、大きな資産を持つ外国人投資家の所有となるクラブが増えています。マンチェスター・シティ、ニューカッスル、あるいはパリSGのようなクラブを例を挙げると、その進化・変化には際限がなく見えます。これらの3クラブの例は外国資本の参入が成功したと言えますが、他の例を見ると常にそうとは限らないことが分かります。時にはスポーツ部門の破滅といった全く逆の状況に繋がることさえあるのです。

スペインサッカーに虫眼鏡を当ててみると、ラ・リーガでのこのような買収は人を苦虫を噛み潰したような顔にさせます。2022/23シーズンの幕が下り、順位表の下から5位チームは全て外国人オーナーを擁しているという明確な共通点があるためです。

セグンダへの降格を果たした3チームも、最終節まで尻に火がついていた2クラブも、遠く離れた国境の外に居る富豪によって維持されています。今季のプリメーラには外国人オーナーのクラブは7つあり、ジローナとマジョルカも同様の経営のため、全てのクラブが同じ状況とは言いません。しかし、プリメーラ20クラブのうち33%が外国人オーナーという数字は、スポーツの静けさを保証するためには高すぎるものです。20年ほど前にはラシン・サンタンデールのドミトリ・ピテルマンや、マラガのアル・タニらがサッカークラブを購入した億万長者の先駆者でありましたが、今や日常的になったと言えます。

エルチェ、エスパニョール、バジャドリーの地獄

クリスティアン・ブラガルニク(アルゼンチン)のエルチェ、チェン・ヤンシェン(中国)のエスパニョール、ロナウド・ナザリオ(ブラジル)のバジャドリーは、いずれも有名なオーナーを抱えるクラブですが、彼らはいずれも数百万ユーロの初期投資が実らずチームがセグンダに行くのを見ることになりました。しかし、この3人に共通するものがあるとすれば、勝利を目指してきたということです。

エルチェのファンは自分たちの運命を受け入れ、第33節に降格が決まりました。低調なスタート、必要なポジションを補強するための投資の不足、夏のマーケット最終日のモヒカの退団、期待とかけ離れた補強が彼らの惨状の引き金となりました。スペインサッカー最高峰での3年間のサイクルを終えたエルチェですが、ブラガルニクはクラブを売却するつもりはなく、出来るだけ早いプリメーラ復帰を目指しています。

よりデリケートな状況にあるのはエスパニョールとバジャドリーです。チェン・ヤンシェンの経営下でコーチクラッシャー(7年で9人)となったコルネジャのクラブ(エスパニョール)は、2019/20シーズンの歴史的な降格を経て、再びセグンダに戻ることになりました。前回の昇格から2年経った今、中国のスポーツ界の混乱と法改正によりクラブへの投資が不足していることもあり、エスパニョールは凋落の危機に瀕しています。

エル・プセラ(バジャドリーの愛称)は、最も痛みを感じながらの降格となりました。最終節、自力での逆転残留の芽が残っていたもののヘタフェに勝てず、直近3シーズンで2度目の降格となりました。試合後のホセ・ソリージャ(バジャドリーのスタジアム)の注目はバルコニーに集まりました。そこには、2018年にクラブを買収して5年でチャンピオンズリーグ出場を目指すと述べたロナウド・ナザリオが居ました。この元ブラジル代表選手はタオルを投げるつもりはなく、数日前にはクラブを売却することは考えていないと話しましたが、現在その約束は単なる空虚な言葉にすぎません。

かろうじて救われたアルメリアとバレンシア

アルメリアとバレンシアは残留を達成し、それぞれのファンに喜びをもたらしましたが、苦しみぬいた末の極限状態での残留であることを思い出さなくてはなりません。

ロス・フエゴス・メディテラネオス(アルメリアのスタジアム)では、2019年にサウジアラビアのトルキ・アル=シャイフがクラブにやってきたことで7年続いたセグンダを脱し、昨季プリメーラ昇格を果たしました。今季は、昇格チームであることを考慮すればギリギリとはいえ残留を果たしたことを評価しても良いかもしれません。一方でバレンシアの状況は大きく異なります。

そこでは、シンガポール人の実業家ピーター・リムが、クラブを壊れたおもちゃに変えてしまいました。絶え間ないシュプレヒコールと抗議活動の中で、サポーターが退任を執拗に要求する中、2014年に筆頭株主となった彼はスペインの歴史あるチームに不快感を与え続け、魂を失って彷徨うチームに変えました。その過程では9年間で14回の監督交代があり、チャンピオンズリーグの常連から降格候補となり、株主配当を支払わないクラブとなってしまいました。

池の反対側にはジローナやマジョルカという成果を挙げているクラブも居ます。ジローナはマンチェスター・シティのリザーブチームとしての地位を確立しており、UAEのシティ・フットボール・グループの一角を形成しています。一方でバレアレスの赤いクラブ(マジョルカ)はアメリカ人のロバート・サーヴァーが所有しています。両クラブとも残留という目標を難なく達成し、欧州カップ戦出場を目指して戦うなど、より高いレベルへの夢さえ抱くことが出来ています。

昇格のグラナダ、降格のマラガ

今季のセグンダでは7クラブ(グラナダ、アルバセテ、サラゴサ、オビエド、スポルティング、レガネス、マラガ)が外国人オーナーのクラブでした。ナスルのクラブ(グラナダ)は来季のプリメーラへの昇格を決めましたが、マラガは十字架に磔にされました。マラゲーニョスはクラブの将来に疑いを抱いたまま何年も過ごしており、クラブは25年ぶりにプロサッカーの世界を去る(RFEF1部への降格)ことになりました。

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