パブロ・マフェオ獲得へ──クラブの右サイドバック補強の経緯
ギリシャリーグのオリンピアコスに所属するアルゼンチン人DFパブロ・マフェオ(29)の獲得交渉を進めていることが明らかになりました。

オリンピアコスとは、1年間のレンタル移籍+300万ユーロでの買い取りオプションという条件で既に合意しており、早ければ明日にもバレンシアに到着する見込みです。待望の右サイドバックの補強であり、問題なく加入が決まればセルタとの開幕戦でも起用されることになるでしょう。
スペイン系アルゼンチン人のマフェオは今年の7月にセグンダに降格したマジョルカを退団し、オリンピアコスと3年契約を結びました。しかし、マフェオ本人はアテネの街にもギリシャのクラブにも馴染めておらず、オリンピアコスでのレギュラーポジションも得られていませんでした。そして娘がバレンシアに住んでいることもあり、スペインに戻ることを強く希望していました。そのため、バレンシアとマフェオの合意は難しいものではありませんでした。
実際のところマフェオに近い関係者は、彼が近い将来スペインに戻り、バレンシアのユニフォームを着ることは既定路線だと考えていました。慣れ親しんだラ・リーガで、少しでも良いパフォーマンスを見せればレギュラーが確保されるというチーム状況もマフェオの背中を後押ししました。
既にオリンピアコスも新たな右サイドバックを探しています。このギリシャのクラブはマフェオの獲得に250万ユーロを費やしましたが、彼の適応の問題もあり、この投資額を回収できるのであれば放出可、という姿勢でいました。そのため、300万ユーロでの買い取りオプションが付いたことで、クラブ間の交渉もスムーズに進みました。
クラブの今夏の移籍市場は、右サイドバックの補強を巡るドラマに終始しました。ティエリーの退団とフルキエの長期離脱により、完全に空席となった右サイドバックの補強のため、クラブは多くの選手をリストアップしました。そしてマフェオは、ベルギー代表DFトーマス・ムニエとの交渉が始まる前、昨シーズン中からアストン・ヴィラのアンドレス・ガルシアと共にクラブが最初に本格的に獲得に動いていた選手の一人でした。
そしてワールドカップ期間中にムニエと合意したため、クラブは2人の獲得を見送り、ワールドカップ終了後のムニエの入団発表の準備を進めていました。しかし、ムニエがワールドカップ終了後にバレンシアとの口頭合意を反故にし、より良い条件を出したサンダーランドと契約したことで、状況は一変しました。
バレンシアはワールドカップが終わるまでの1か月間、右サイドバックの問題は解決したと判断し、その他のポジション(GK、WG、FW)の補強に動いていました。無所属のムニエをゼロコストで獲得することで、他の補強にお金をかけられるためです。それがムニエを獲れなかったことで、クラブは他の補強を後回しにし、右サイドバックの補強にお金をかけて取り組まなければいけなくなりました。そしてその時点でアンドレス・ガルシアはヘタフェへのレンタル移籍が決定、マフェオはオリンピアコスと3年契約を結んでいました。

そこでクラブが急遽リストアップしたのが、ジローナのアルナウ・マルティネスでした。アルナウの獲得にはそれなりの費用がかかりますが、ピーター・リムの債務の株式化により使える資金に余裕ができたことで、クラブはジローナとの交渉を加速させました。
しかし、最初の交渉から10日が経過した今も、両クラブは合意に至っていません。現時点でバレンシアの提示額は移籍金300万ユーロ+達成が簡単なインセンティブで200万ユーロ、さらに将来の売却益の25%という条件を提示していますが、ジローナはインセンティブなしの600万ユーロ+将来の売却益の15%を求めており、このオファーにノーを突き付けています。
また、昨日の時点でプレミアリーグのフラムがアルナウの獲得に興味を示してきたという報道が出てきました。バレンシアはアルナウ獲得交渉が破談になった場合の保険としてマフェオの獲得に動きました。
ただ、マフェオの獲得により、バレンシアがアルナウから手を引くということではなく、ジローナとの交渉は続けるようです。ただ昨日までと変わった点としては、バレンシアは何が何でもアルナウを取らなければいけないわけではなくなったということです。「バレンシアにはアルナウ以外の選択肢がない」と思い、強気の交渉を進めてきたジローナは、交渉を成立させるためにある程度バレンシアに譲歩する必要が出てきました。そして、アルナウ本人はバレンシアへの移籍を望んでいます。
